エルフになって勇者と一緒に魔王を倒しに行く話

『デンジャラス・ラン』の感想と『エルフになって~』の第八幕の導入部試作改

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デンゼル・ワシントン主演の映画、『デンジャラス・ラン』を見てきました。
新米CIAのマットは南アフリカのリオで、いつ使用されるかもわからない現地の隠れ家(セーフハウス)の管理人という閑職を割り当てられ、悶々とした日々を過ごしていた。そこへ突然、CIA史上最悪の裏切り者にして逃亡者、フロスト元工作員の身柄が届けられ……というお話。
急展開に次ぐ急展開、明らかになっていく真実、フロストがなぜ裏切ったのか、嘘と秘密に塗り固められたCIAの本当の姿とは……。流れるような高速のカーチェイス、派手で爽快なアクションもさることながら、多数のキャラクターの思惑と立場が幾重にも入れ混じり、一つの終焉へと収束していくストーリーにはとてもドキドキとさせられた。ストーリーが進むに連れて露わになっていく、裏切り者の本当の素顔、目的、感情。それらを完璧に演じたデンゼル・ワシントンの演技力には脱帽だった。フロストが最後の瞬間に流した一筋の涙に込められた感情を想像すると、胸がいっぱいになりそうだった。
この映画には本物のCIA工作員だったルイス・ファルコンを特別アドバイザーに加えていて、許される限り、真実に限りなく近く再現されているという。工作員の地味な仕事、普段の日常、習性、悩み、鬱憤、仕草から、隠れ家の入り組んだ内部の様子や整頓された備品、尋問室、輸血パック、電子機器に至るまで、全てにアドバイザーの手が加えられている。それが大いにリアリティを高めることに役立っている。
カーチェイスシーンの撮影では時速120キロに加速することもあったらしく、かなり迫力があった。個人的には、マットが追手を巻くために必死にステアリングを操った序盤のカーチェイスシーンが凄く印象に残っている。
まとめると、この映画はかなり面白かった!!アクション映画が好きな人にはお勧めです!!




そして、『エルフになって』の最新話冒頭部の試作。こつこつと作っていこう。


我がガーガルランド公爵家にとって、皇宮とは崇め見上げるものではない。いつか手に入れるモノ―――否、|取り戻すモノ《・・・・・・》だ。

夜月を背景にして聳える皇宮の塔を窓越しに睨みつける。嫌味なほどに白く塗りたくられた外壁は夜闇の中でも月夜の輝きに映えている。実に軟弱で薄っぺらい色合いだ。私があの塔の中の|皇帝《ガキ》から椅子を取り戻した際には、城も城下町も城壁も、全てを気高い黒色に染め上げてみせよう。
近い将来に実現するであろう漆黒の城と化した皇宮を脳裏に幻視し、口端を釣り上げる。窓に反射して映るのは、余裕の笑みを浮かべる絶世の美男子―――ガーガルランド公爵家の第25代目当主にして今代の|勇者《・・》であるクァム・ベレ・ガーガルランドだ。
そも、本来ならば今頃皇帝の椅子に座っているのは私であるべきなのだ。1000年前に魔王軍に通じたという無実の罪を着せられた我が先祖は皇帝の世継ぎの身分を剥奪され、腹違いの弟にあたるドゥエロス家の人間に尊い地位を奪われて都落ちの憂き目にあった。それから1000年もの間、我がガーガルランドの歴代当主たちは穢された誇りを取り戻すために力を蓄え続けた。狭い僻地の領主という辱めに歯噛みしながら、じわじわと他の貴族と力を合わせ、領土を合併し、財力と名声を積み上げてきた。我が父の代では皇宮に隣接する一等地を所有する貴族家と婚儀を結び、皇宮に次ぐ大きさの邸宅を建造するに至った。
そして―――遂に私の代で、真の血筋である我がガーガルランド家が、皇帝の座に見事返り咲くのだ。

「か、閣下?私めの話を聞いておられますか?」
「……ああ、すまない。考え事をしていた。話はなんだったかな、カラバリ侯爵?」

私の意識に無遠慮に立ち入ってきた老いぼれを振り返る。そういえば、今晩は嘆願に訪れたこの老いぼれの相手をしてやっていたのだ。もはや60を越えて久しい死に損ないのくせに、首にはサラマンダーの毛皮の襟巻きを巻いている。皇宮から数メートルしか離れていない邸宅で皇帝府御禁制の品を身につけるとは、さすがは悪徳で有名|だった《・・・》カラバリ侯爵家のチュレブ当主だ。もっとも、私が身に着けている服は全てサラマンダーの毛皮で作られているが。

「魔王軍討伐に支出する軍資金のことです、閣下!大遠征には多額の費用がかかるのはわかりますが、幾ら何でも5000億もの負担はあんまりではないですか!我がカラバリ家は1000億ソータムすら困難な財政状況であることは、閣下もご存知のはず!」
「ほお。これは異なことを言うな、チュレブ殿。たしか貴方の家は絹と鉄の製造を独占していたはずだ。商売相手は亜人類にまで及んでいるそうではないか。1000も2000も、楽なものだろう?」
「それは過去の話です、閣下!8年前に鉄の原石の産地であったコサトカを魔王軍に滅ぼされて以来、我が家の財政は苦しくなる一方です!このままではアールハントの二の舞になってしまいます!」

領地と財産を全て失い、領土を護れなかった責任を取らされて爵位を追われる―――。貴族にとってもっとも恐ろしい結末だ。特にこのチュレブ・イン・カラバリ侯爵は、己の一族が破滅することを極端に恐れている。魔王軍が現れる前までは、財務大臣の権力と侯爵の地位の力を好き勝手に振り回して己に楯突く者や商売敵を容赦なく亡き者にする強欲な支配者であったというのに、何とも情けない話だ。盛者必衰とはまさにこのことだ。
だからと言って、甘い顔をするわけにはいかない。ガーガルランド家が返り咲くためには相応の資本と犠牲が必要なのだ。例え、カラバリ侯爵家が我が母の実家にあたるとしても、だ。

「だからこそだ、侯爵!これ以上、穢らわしい魔王軍に我々人間の神聖な領地を踏み躙られないためにも、討伐軍の費用の充実が必要不可欠なのだ。
大局を考えてみるがいい。貴方が金を出し渋ったことで討伐軍の勝利が遅れるようなことがあれば、その間にコサトカは醜い魔族共の唾液と糞尿にまみれ、ヒトが立ち入れぬ場所になるかもしれないのだ。それこそ、貴方が例に上げたアールハント領のように」
「それは、そうかもしれないが……」

主導権を握ることに慣れた人間は、逆に主導権を握られるととことん押しに弱くなる。この老いぼれもそのクチだ。内心でほくそ笑み、チュレブの肩に優しく手を置いてやる。自前の領地で採れた一番良質の絹を使っているのだろう。安っぽい手触りに嫌気が差すが、ここは我慢してやらねばなるまい。

「では、こういう案はどうだろう?魔王を討伐せしめた際は、カラバリ家から|借り受けた《・・・・・》5000億ソータムをそっくりそのまま返そう。さらに、コサトカだけでなくその周辺の領地もカラバリ家のものとしよう。他ならぬ|祖父《・・》の貴方のためだ。騎士の誇りにかけて、約束を果たすことを誓おう」
「閣下、領地の割賦は皇帝府にしか許されぬということをお忘れか?いくら貴方が騎士団大隊長であるとは言え、そのような勝手は出来ますまい!」

老いぼれのくせに、少しは頭が回るらしい。だが、所詮は腐りかけの頭しか持たぬジジイだ。もっと先の展望に目を向けられないものか。
表情を引き攣らせて喚き散らすチュレブの肩を擦り、小声に微笑む。

「確かにそうだ、お祖父様。ですが、考えてもご覧なさい。見事魔王を倒し、魔族を根絶やしにした|勇者《・・》であると同時に真の王家の血筋を受け継ぐ私と、のうのうと皇宮に引きこもっていた|ただの子ども《・・・・・・》―――。貴族たちは、果たしてどちらを頼り甲斐のある支配者であると考えるでしょうな?」
「―――おお……!」

囁きが終われば、もはやチュレブの意識は私の思いのまだ。老いても尚当主の座を跡継ぎに継がせないこういう手合いは、得てして自身をまだ若いと思い込みたがる。まだ現役を退きたくないという焦燥と野心に火をつけてやれば、勝手に熱を上げてくれるものだ。
トドメにどんな美女をも射止める絶世の笑みをチラと垣間見せてやれば、後は容易い。

「閣下、そのお言葉、然とお聞きしましたぞ。じ、実は、前々からコツコツと各地の銀行に分散させていた財が僅かながら残っておりましてな。それらを掻き集めれば、まあ、ざっと5000ほどにはなる計算なのです。至急、集めさせるようにしましょう」
「おお、それは重畳!是非、急がせて頂きたい。討伐軍の装備は充実しているに越したことはないのですからな!」

何をも態とがましいことをほざく老いぼれだ。税の義務から逃れるために名義を偽造して分散させていただけであろうに。財務大臣が聞いて呆れるものだ。
だが、この老いぼれが特別劣っているわけではない。すでに同じような甘言に乗ってきた貴族は両手の指では数え切れないのだから。どいつもこいつも低俗極まりない。新しい皇帝に過去の|内緒話《・・・》をいちいち覚える義務などあるはずがないというのに。

チュレブが肩を弾ませながら私の部屋を後にすれば、とうに限界に達していた私の忍耐が爆発した。

「おい、メイド!何をボサッとしている!」
「は、はい!申し訳ありません!」

部屋の隅でアホ面で立ち尽くしていたメイドに濡らした布を持ってこさせ、老いぼれの死臭に触れた手を隅々まで丁寧に拭わせる。縁起の悪い腐臭を移されては溜まったものではない。
長椅子に腰掛けて手を清めさせている間、メイドの肢体に視線を流す。すでに何度か手をつけた使い古しではあるが、元は男爵家の娘なだけはあって肉付きは豊かだ。年頃は20くらいだったか。じっと見つめていると妥協しても良いという気にさせる。
こんな気分の時は、女を抱くに限る。本当ならば、前々から狙っていたバダヤ伯爵の一人娘の処女を散らせてやりたいものだが、贅沢は禁物だ。それはまた明日の楽しみにでもとっておくべきだ。
邪魔な布を乱暴に跳ね除け、メイドの長い髪を掴み上げる。「ひっ」と短い悲鳴が発せられたが、すぐに飲み込まれた。ベッドに突き飛ばせば、メイドは抵抗することなく羽毛に倒れこむ。その瞳には恭順の色しかない。これも私の“教育”の成果だろう。女の躾にも優れているとは、己の多才ぶりに我ながら身震いしそうだ。
今夜は気分が高まっていることだし、少し激しい房事をして気を紛らわそう。どうせ、このメイドの実家である男爵家は魔王軍に領地を削られたせいで以前の十分の一の力だって残っていない。娘がどれだけ傷物になろうが、訴えを起こす余裕もないのだ。
舌舐めずりを浮かべながら、人形のように硬直するメイドの胸元に手を添えて、

「―――閣下、大隊長閣下!至急お耳に入れとうことがございます!失礼致します!」

扉を数度殴りつけられたかと思いきや、男の大声とともに力任せに開け放たれた。


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~ Comment ~

予想していたとは言え…… 

あえて言わせて貰おう、てめぇの血は何色だぁーーーーーーーー!!!
奪い取れ!今は悪魔が微笑む時代なんだ!ってことか!おのれジャギ様!

You know you prepared?Do you think peopla like you,and the-re is a convenient story like that?No,that is the death penalty!
(覚悟はいいか?お前のような人間に、そんな都合の良いな話があるとおもうか?いいや、死刑さ!)

 はっ!?何かが俺に乗り移って……!?一体俺は何を口走ったというんだ!?
 とりあえず自称勇者(笑)にはトゥさんからキツい口撃入りまーす!

トゥ「うわ……ちっさ……」
メイド「正直小さすぎて痛くもかゆくも無かった。でも下衆の子供は勘弁」

 …………なんか自分でもダメージ受けた。

 ま、まぁ、次回も楽しくなりそうですね!続きを楽しみにしています!

成る程なぁ 

クァムは野心家というわけですか。しかしこの迸る小物臭は一体wwwww。千年前に彼の先祖に何があったのかが気になるところ。大方、女性関連だと思ってしまうのは何でだろう。
ユイツ一行に罪を暴かれたってのもありかな?

次回は遂にトゥとの接触ですが、どうなるかな?
顔だけイケメンに引っ掛からないとわかっているから安心出来ますね。
しかし自分の事を天才(笑って、ベ○ータみたいだ。後からツンデレでライバルになるのは・・・・・・・いやありだけどウーン。
痛い目見てほしいキャラクターだけど、方向がよくなれば化けそうな設定なんだよなぁクァム。難しいですね。

続き楽しみにしてます。

 

うん、なるほど~という感じですね。
ただ勇者(偽)の小物臭さをより出した方がいいかも。
(偽)の身勝手な言い分の後に三人称の解説とか、財務大臣が偽者の言い分に納得していないながらも、他に倒せる者がいないから妥協→それを態度に出さないように勇者を褒めちぎるw
とかのほうが、馬鹿にされながらも気がつかない小物臭さがでるかと思います。(個人的意見っす)>デンジャラスラン
む、面白そうですね。
明日休みだから見に行ってみます。

NoTitle 

>上条信者さん
上条さん落ち着いて!www
自称勇者の顔だけイケメンは、後々に痛い目に遭います。さらに後にはもっと痛い目に遭って、本当に自分の血の色を確かめることになります。噛ませ犬って大事ですね!
次回もどうか楽しみにお待ち頂ければ幸いです!!

>悦さん
さすが悦さんやでぇ……。1000年前に何があったかは、エルフzeroを書く機会があれば、そこで明らかにする予定です。ガーガルランドの子孫たちは無実の罪だと思い込んでいますが、実は……という感じです。
トゥとの接触では、調子に乗ったクアムがさっそく痛い目にあうイベントを考えています。クアムは噛ませ犬として考えたキャラクターなので、今のところはこのまま突っ走って見事にアボーンする予定です。でも、確かに成長すればこの上ない味方になりそうですね……。なんだかもったいない気がしてきました。まだまだ再考が必要ですね!

NoTitle 

>名無しさん
この自称勇者が他の第三者―――例えば貴族たちからどう思われているか、そういう描写を入れるのも良いですね!ありがとうございます!!
デンジャラス・ラン、お勧めですよ!ぜひ楽しんできて下さい!!

映画良いなぁ… 

14日は梅田のTOHOが1000円なので見に行きたいんですけどテスト期間中というね(泣
まぁ人生色々ありますけど、主さんも頑張ってくださいませ。

バーサーカー最新話、ウェイバーの『俺が王でお前が臣下』宣言には胸が熱くなりました。自分もここまでカッコいい話を書いてみたいもんです…(羨望の眼差し
そしておじさんにはデンプシーロール習得フラグが立ったようです(何

せっかくバーサーカーの続きもお待ちしていま~す。これからも頑張ってください。

NoTitle 

>ゼミルさん
人生色々あります。その経験も何らかの形で小説に活かせるのだと思えば、納得というか、受け入れることができます。
テストが終わったら、映画を見てみるのもいいですよ。『バトルシップ』がレンタル開始したのでさっそく借りてきました。映画館で見た時も最高に面白かったですが、家で見てもやっぱり面白いです。やはり戦艦はカッコイイ!!

>羨望の眼差し
総合評価がもうすぐ2万点になる作者様が何を仰るwwwオリジナルで6000以上の登録数とか、完結する頃には書籍化の話が来そうな勢いですよ!!
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