性転換

チクショーッ!!間に合わなかった―――!!!!!

 ←『美しい変化を貴方に』の後編試作【改々】 →『美しい変化をあなたに』完成しますた
今日の出社前までに『美しい変化をあなたに』を完成させるはずだったのに!!間に合わない!!中途半端なままじゃ投稿できない!!!くそーっ!!!くそーっ!!!
すいません、明日こそ投稿します……。読みなおして読みなおしてしっかり作りこんで、仕事から帰ったらすぐに取り掛かります……(´;ω;`)ゴメンヨ


あ、『Tiger & Bunny the Beginning』とジェイソン・ステイサム主演の『SAFE』を見てきました。どちらも面白かったです。映画見てる暇があったら書き進めなさいよってことだね。うん。後悔先に立たず。







『美しい変化をあなたに』試作版



後編 これからは偽りなく



「嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ。わ、私、何か悪いことした?もしかして、フラグを見落とした?選択肢を間違えた?どうして、そんな、これじゃゲームと違う。それじゃあ、それじゃあワタシは、オレは―――」
「か、楓?大丈夫か?」

ガタガタと全身を痙攣させて苦しげに脂汗を浮かべている。楓がこんなに怯える姿なんて、この16年間で一度だって見たことがない。

……いや、たった一度だけ覚えがある。幼稚園に上がる前、俺たちに自我が芽生えてまだ間もない頃、何の前触れもなく楓が突然塞ぎこんだことがあった。何を言っても反応しない無気力な楓に、オジサンとオバサンはひどく不安がっていた。今にも自殺しそうな楓の表情は鮮烈に記憶に刻み込まれている。その時は、見るに見かねた俺が手を取って無理やり外に連れ出して元気づけてやって解決した。遊んでいる内に楓の状態も元に戻ったから、そんなことは今の今まですっかり忘れていた。だけど今回は、あの時よりも遥かに重症に見える。

「嫌だ、一人になるのは嫌だ、嫌だよ、嫌だ」
「おい、楓?一人にするなんて言ってないだろ?いったいどうしたんだよ。そんな顔して泣くなんてお前らしくないって。なあ、聞いてるか?」

俺の言葉が耳に入っていないのか、眦から零れ落ちる涙は止まらない。凍えたようにガチガチと歯を鳴らしながら背を丸めて嗚咽を漏らすばかりだ。虚ろな瞳は、まるで押し寄せる孤独と寒さに押し潰される雪山の遭難者のようだ。副生徒会長が突然見せる奇行に学友たちが面食らって立ち止まる。「お前が泣かせたのか」という非難の視線が突き刺さるが、俺にだって原因はわからない。
楓の豹変と周囲の人だかりの視線にたじろぎながらも、とりあえず泣き止ませようと華奢な肩におずおずと手を伸ばす。瞬間、俯いていた桜色の髪が跳ね上がり、伸ばした手を思い切り掴まれた。いつもの楓からは想像もつかない乱暴な動作に動転する間もなく、ぐいと腕を引き寄せられてたたらを踏む。

「教えて、直すから!」
「は?直すって、お前なに言って、」
「私に悪いところがあったんでしょ?気に入らないところがあったんでしょ?だから、私のことが嫌いになったんだよね?ねえ、教えて。なにが悪かったのか教えて。直すから。全部、全部全部全部、|今ままでみたいに《・・・・・・・》すぐに直してみせるからっ!!」
「……ッ」

まるで命乞いをするかのように震える双眸に見上げられ、俺は楓が豹変した原因に思い当たって息を呑んだ。
異性として意識していたのは俺だけだと思っていた。鈍感な楓は俺の存在を空気のようにしか思っておらず、依存などしていないと思い込んでいた。だけど、本当に鈍かったのは俺の方だ。捨てられた子犬の瞳に俺の顔が映り込む。いや、この瞳には常に俺しか映っていなかった。楓はずっと―――俺が楓を想うより遥かに以前から、俺だけを見ていたんだ。
衝撃のあまり何も応えられない俺の様子に何を思ったのか、いつも微笑みを浮かべていた容貌を悲壮に淀ませる。きっとコイツは、俺に好かれるために影で必死に努力をしていた。少しでも俺が気に入らないような素振りを見せたら、嫌われないようにすぐに修正していたに違いない。自分がどれだけ楓に想われていたのかを思い知って、切なさに胸が締め付けられる。もっと早く気付いてやればよかった。そうすれば、楓に己を偽らせるような真似をさせなくて済んだのに。
自分の正直な気持ちを伝えようと、「ああ、そうか」と何かを勝手に納得して囁くバカ女の肩に手を置く。

「なあ、楓。俺はお前のことを、 「邪魔になったんだよね?」 ……なんだって?」

思いもよらない言葉に面食らう俺から、フラリと楓が離れる。ピンク色の髪が大きく舞って、添え木を失って崩れる桜を連想させる。倒れゆくその腕を慌てて掴もうとするが、細枝のような腕は透けるように俺の手から逃げる。

「好きな人、できたんでしょ?」

一歩、二歩と後ずさり、消え入りそうな声で囁く。生気を失って俯く顔からは表情を読み取れない。

「ごめんね、気が付かなくて。そうだよね、ずっと同じ女にベタベタされたって、鬱陶しくなるだけだよね。嫌になるに決まってる。飽きるに決まってる。タッちゃんだってもう16だもんね。好きな女の子ができるのは当然だよ」
「……やめろ」
「ごめんね、ごめんね。私、自分のことばっかり考えて、タッちゃんのこと考えてなかった。タッちゃんに頼ることしか頭になくて、タッちゃんの気持ちを見てなかった。こんなに自分勝手で嫌な人間、好かれるはずない。他の女の子に取られちゃっても文句言えない」
「やめろって言ってるだろ」
「あはは、私今まで何やってたんだろ?一人で必死になっちゃって、バカみたい。ぜーんぶムダにしちゃった。私は、わ、ワタシは、オレ、は―――」
「いい加減にしろ、このバカッ!!!」
「っ!?」

腹の底から激情を迸らせ、目の前のバカに叩きつける。怒鳴られた楓が総身をビクリと跳ねさせた。
本当は、いつもいつも心の中ではこうやってビクビクと怯えていたんだろう。脳天気に振る舞いながら、内心では俺の顔色を伺ってひたすら頭を働かせ続けていたんだ。家族や友人にさえ素顔を見せず、一番近くにいたはずの俺を騙し続けていたんだ。
切なさが過ぎ去れば、後から押し寄せてくるのは巨大な怒りの波だ。誰よりも心を許してくれていると思っていたのに、実際は俺に一番大きな嘘をついていた。嘘に嘘を重ねて本当の楓を塗り潰してしまうくらいに欺いていた。もう、楓にだって本当の自分がどんなだったのか思い出せないに違いない。
そこまで大きな犠牲を払ったくせに、勝手に変な誤解をして、勝手に諦めて、勝手に自分を責めている。俺の気も知らないでさっさと身を引こうとしている。今だって、嫌われたに違いないと早合点してポロポロと涙を溢している。泣きたいのはこっちの方だ。そんなに強く想われていると知っていれば、その想いに相応しい人間になろうと成長期の心身と時間を研鑽に費やせたというのに。今から頑張っても、楓のかけた労力に追いつくのはずっと先になってしまうじゃないか。

強く足を踏み進める。また拒絶されると思ったのか再び後退しようとした楓の腕を、そうはさせまいと掴み止める。服の上からでも肌が張り詰めて冷たくなっているのがわかる。洞窟のように虚ろになった楓の瞳を覗き込めば、俺の背後にチラリと視線を流してなぜかふっと口元を緩ませた。

「もう、いいんだよ。私なんかに気を使わなくてもいいの。私は大丈夫だから。その分、好きな女の子に優しくしてあげて」
「大丈夫に見えないからこうして捕まえてるんだ、このバカ。大体、そんな女はいない」
「あはは、タッちゃんは相変わらず嘘がヘタなんだから。だって、すぐ後ろにいるじゃない」
「……後ろ?」

思いも寄らないことを言われ、反射的に背後を振り向く。

「―――やばっ」
「……?」

ツインテールの女の子だった。整っているがまだ稚気が残る顔立ちと全体的に小柄な体躯の、楓とは違ったタイプの美少女だ。夏空のような蒼色に冴える髪と瞳が野次馬の中で一際目立っている。学年を表すネクタイピンを見ると、一本線が刻まれていた。今年入学した一年生のようだ。
俺と目が合うと、その女の子はどういうわけか「しまった」と言わんばかりに顔を顰めた。しかし、そんな表情をされる心当たりがない俺は眉根を寄せるしか無い。俺はこの女の子とはこれが初対面だからだ。

「|昼賀谷《ひるがや》 |天音《あまね》……」

楓の強張った唇が震えて、かろうじて聞き取れるような声量を漏らす。なぜか、楓はこの新入生の名前を知っている。低くか細い声には好意と敵意が入り交じっているように聞こえたことからして、楓が誤解するだけの理由があるらしい。気になって天音という名前らしい新入生の顔をもう一度注視すれば、彼女はパタパタとツインテールを揺らして首を振り出した。

「ちょ、ちょっと待って!オレ―――じゃなかった、天音はまだ先輩と会う|イベント《・・・・》を起こしてな―――タツヒコ、手を離しちゃダメだ!!」
「なッ!?お、おい、楓!?」

気を抜いた瞬間を衝かれた。目を見開いた天音の鋭い声に慌てて腕を振り乱すが、俺を突き飛ばした楓が踵を返す方が何倍も早かった。宙に涙の飛沫を散らせて床を踏みしめ、いつもの大人しい楓からは想像もつかない速さで廊下を駆け抜けていく。
どんどん小さくなっていく背中が、まるであいつの存在そのもののように見えてゾッとする。楓が消えてしまう。せっかく両想いだとわかったのに。まだ俺の気持ちを伝えてないのに……。

「何ボサッとしてんだコラ!さっさと追いかけねぇか!!」

幼い女の子の声で男のような怒声が飛んできた。バランスを崩してたたらを踏む俺の背中を誰かが乱暴に支える。肩越しに透かし見ると、水色のツインテールが視界に広がった。さっき、楓が俺の恋人だと誤解した女の子だ。俺の名前を知っていたり、見た目にそぐわない表情で睨んできたり、奇妙な女の子だ。

「君はいったい……?」
「んなこたぁどうでもいいだろが―――――ぁ、いやその―――ど、どうでもいいんですよ、先輩!ぜーんぶ女の子の勘とかそういうものです!ほら、楓さんを早く追いかけてあげてください!取り返しの付かないことになっちゃっても知りませんよ?」

「取り返しの付かないこと」と囁かれた途端、身体が勝手に動き出す。床を滑るような動作でバカ女が落とした鞄を拾い上げ、そのまま廊下を走る。追いついて、捕まえる。二度と離さないようにしっかり掴んで、今度こそはっきりと俺の気持ちを伝えよう。腐れ縁の幼馴染みとしてではなく、異性の男として。家族に向ける“好き”ではなく、家族になって欲しいという“好き”を。

「せんぱ~い!楓さんに『ヒロインが全員集まるまでは停戦にしてあげます』と伝えておいてくださいね~!きっと落ち着きますから~!」

廊下の角を曲がる直前、天音の間延びした大声が耳に入った。本当に不思議な女の子だ。






タツヒコが瞬く間に廊下の角に姿を消した。ちゃんと聞こえただろうか?まあ、主人公補正とかで何とかなるだろう。ったく、世話の焼ける奴だ。まあ、誤解されるようなところに突っ立ってた俺も悪いんだけど。

「ね、ねえ、天音。今のなに?あのカッコイイ先輩と知り合いなの?てゆーか、アンタあんなに乱暴な言葉づかいだったっけ?」

声の方に振り返れば、同じ新入生の友人が目を白黒させていた。面倒くさいことになった。せっかく今まで俺が大好きだったキャラクターの昼賀谷 天音ちゃんを忠実に演じてきたというのに台無しになっちまった。このままじゃ、腹黒キャラへの移行は確実だぜ。……まあ、それもいいか。純粋なロリ娘も楽しかったが、腹黒いロリ娘ってのもなかなか面白そうだ。|アイツ《・・・》も原作のゲームと違うルートに入ったみたいだし、今さら原作に忠実になる必要なんてないわな。
しっかし、まさかメインヒロインの朝香 楓も俺|たち《・・》と同じだったとは驚いた。こりゃあ、ヒロイン全員に確かめてみる必要がありそうだ。さっそくアイツに調べさせよう。
何はともあれ、とりあえず今は目の前の友人を何とかしないとな。

「ふにゃ?天音、ユーちゃんがなに言ってるのかぜ~んぜんわかんな~い。にゃはは!」
「………」

なに恐ろしいモノを見るような目を向けてやがる、このアバズレめ!!こっちだって死ぬほど恥ずかしいんだよ!!






ギシ、と耳障りな音が聞こえる。それが使い古されたブランコの錆びた鉄の音か、自分の心が軋む音かはもう判別がつかなかった。

「あはは……タツヒコって年下の妹キャラが好きだったのか。そうだと知ってればこんな苦労しなくてよかったのになぁ。あはは、はは……」

どうしてだろう。可笑しくて仕方がないはずなのに、心から笑えない。これまでの努力もこれからの人生も全部水の泡になったんだから、せめて大声で笑いたい。愚か者の自分を嘲り笑いたい。そうでもしないと気が狂ってしまうじゃないか。

|昼賀谷《ひるがや》 |天音《あまね》―――朝香 楓に次ぐこの世界のメインヒロイン。一歳下の新入生で、天邪鬼だけど甘えん坊な可愛い後輩キャラだ。前世で一度攻略したことがあるからよく知っている。金持ちの実家のことで大きな悩みがあるとか、ワガママなのは寂しがっているからだとか、実は尽くすタイプだとか―――入学式の日にタツヒコに一目惚れした、とか。
さっき、廊下で彼女を目にした時、直感で理解した。タツヒコの背後に現れて俺をじっと観察するその視線に気付いた時、彼女が俺に対して敵意を抱いているのだと気付いた。彼女を庇うように立ちはだかるタツヒコを見て、二人の関係を悟った。自分がタツヒコにとってただの幼馴染みで、二人にとって邪魔な存在なのだと知ってしまった。
実を言うと、昼賀谷 天音は俺が二番目に好んでいたヒロインだった。ジャジャ馬な性格だけど根は寂しがり屋で、恋仲になった途端に頑張ってお弁当を作ってくれたりする可愛いキャラクターなのだ。情に厚くて面倒見のいいタツヒコとなら、きっと良い関係を築ける。互いに支えあうことのできる理想的な男女だ。タツヒコに依存するばっかりで自分の足で人生を歩こうとしない俺よりもよっぽどお似合いだ。

「馬に蹴られて死んじゃう前に退散しないとね。死因が馬だなんて前世より情けないんだから。でも、これからどうやって生きればいいかわかんないよ。あはは、まいったなあ。これじゃあ死んでも死ななくても変わりないじゃん」

夜の公園にくつくつと小さな笑みが木霊する。もし誰か他に人がいたら、警察か救急車でも呼ばれてたに違いない。人気のないちっぽけな公園でよかった。昔はここまで寂れてなかったし、もっと広かったと思っていたんだけど。
俯いていた視線を少し上げれば、ブランコの目前に広がる砂場が入る。子どもの頃は、よくよくここで遊んだ。|あの日《・・・》―――俺が前世の記憶を取り戻してしまった日も、ここでタツヒコと砂遊びをしていた。
黄色い電灯に照らされた砂場には、昼間に子どもが作ったのだろう砂の城が聳えていた。誰かに踏まれたのか、それとも時間が経って劣化したのか、半分以上崩れてしまっている。


『 今日こそ砂場にオレのでっかい城をつくるんだ。完成したらかえでもいっしょに住まわせてやるよ 』


「……嘘つき」

ちゃんと手伝ったのに。部屋の間取りまで一緒に考えたし、犬小屋と庭も作ったのに。一日中付き合ってあげたのに。それなのに、言い出した本人がさっさと忘れてしまうなんてひどい。

「……“リビングは一階全部使って、キッチンは二階とお客さんが来たときのための部屋。三階はお父さんとお母さんたちの部屋で、四階は楓の部屋にしていい。でも一番上の五階は俺の部屋だ。一人じゃ怖くて眠れない時は、俺の布団で寝てもいいぞ”……。あはは、10年以上前なのにけっこう覚えてるもんだね」

首を上げていることも億劫になって、また項垂れる。自分もこの砂の城みたいに崩れてなくなればいいのに。さらさらと細かい砂になってしまえば飛んでいけばいいのに。そうすればきっと、この胸が張り裂けそうなつらい気持ちとも永遠におさらば出来る。虚しい人生なんて送らずに、何も考えなくてもいい真っ白な存在になってゆらゆら漂えるのに。


ジャリ、


「………?」

不意に、数歩手前で足音がした。芝生を踏みしめてこちらに歩み寄ってくる。重い、男の足音だ。迷いのない足運びからして、目的は俺に違いない。まったく警戒してなかったから気が付かなかった。
タツヒコの前では、俺は無防備な女の子を演じていた。でも本当は、タツヒコ以外の誰にもこの身体に触れられないように常に周囲を警戒していた。落ち着きなくキョロキョロと辺りを見回していたのは、自分を見る男の視線や動きに注意していたからだ。邪まな意思を持った変質者が近づいてきたら、純粋な笑顔で対応しながら背中に回した手の中で防犯ブザーを握りしめていた。タツヒコが助けに来るのをギリギリまで待って、震える手を背中に隠して。決して、タツヒコ以外に身体を許さないために。

「……でも、そんな必要もなくなっちゃった。今さら処女守ったって意味なんてないんだし」

ボソリと呟く。それが聞こえたのか、砂場に差し掛かったところで足音が止まった。動揺したらしく蹌踉めいてたたらを踏む気配がする。いくら美少女でも、夜の公園でブツブツ独り言を漏らしていたら不気味に思って近づけないのだろう。亡霊だと思われたのかもしれない。あながち間違ってはいないけど。
踏ん切りがついたのか、再び男が歩を進める。どんどん足音が大きくなる。走ってきたような荒い息遣いまで聞こえてくる。もう砂の城の辺りだ。
もう、どうにでもなればいい。どうにでもすればいい。一人ぼっちで生きていくしかないのなら、誰かの慰み者になって生きる人生も悪くない。造られた世界のニセモノの人生でも、誰かに必要とされるなら少しは生き甲斐も生まれるかもしれない。いっそのこと壊れるまで無茶苦茶に扱って、砂の城みたいにバラバラにしてくれた方が気も楽だ。

そっと、髪の表面に手が触れられる。数瞬躊躇うような気配を見せた後、ぽんと頭に手が置かれた。無意識にビクリと肩が跳ね上がる。
これから何をされるのか。そんなの、元は男だったんだから俺にだってわかる。下衆い男が美少女を前にして考えることと言えば一つしか無い。ここじゃ目に付くからどこかに茂みにでも連れて行って、抵抗するなら何度か引っ叩いて、口に詰め物をして、手足ふん縛って、服を脱がせて、それから―――。

「―――ぅ、ふぐ、ぅぅぅ……!」

息が弾み、ぎゅっと閉じたはずの唇の隙間から嗚咽が溢れる。ブランコの鎖を握る手が汗ばんで気持ちが悪い。閉じた太ももが恐怖でガクガクと震えるのが見える。眦が熱くなって、目に映る景色の輪郭がぼやけていく。世界が色を失っていく。
怖い。怖い怖い怖い怖い怖い。
やっぱり怖いよ。|私《・》、無茶苦茶になんかされたくない。慰み者になんてなりたくない。他の誰にも触って欲しくない。私の身体は|あなた《・・・》だけに触れてほしい。

正直に言います。あなたが好きです。
最初は依存することしか頭にありませんでした。自分を保つためにあなたに寄生していました。でもいつの頃からか、本当に好きになったんです。例えゲームの世界でも、あなたと過ごす毎日が私にとっての本物でした。あなたが、モノクロだった世界を色鮮やかに輝く世界に変えてくれた。前世のことなんて忘れて、朝香 楓として心から笑うことができたんです。
お似合いだとか関係ない。盗られたくない。ずぅっと前から私がツバつけてたのに、いきなりやって来て横から持って行っちゃうなんてあんまりだよ。そのせいで私は今からひどい目に遭っちゃうのに。ああ、ヤダ。防犯ブザーを鞄の中に忘れちゃった。どうしよう、ホントに無茶苦茶にされちゃうよ。

硬直して震えるだけの私に何を思ったのか、頭に置かれていた手がゆっくりと離れる。どうする気だろう。髪を掴んで引っ張りあげるんだろうか。いきなり殴って気絶させるんだろうか。まさか、ここで押し倒すんだろうか。どれも嫌だ。想像もしたくない。
助けて。いつものように助けに来て。妹みたいな女の子が好きなら頑張ってそうなるから。だから、年下の女の子なんて放って、急いで駆けつけて。カッコイイ背中で私の前に立ちはだかって。

「……ツ、ヒコ……タツヒコぉ……助けに来てよ……一人にしないで……」

ついに、男が動く。大きく手を広げて背中に手を回してくる。湿った汗の臭いに抱きとめられる。腕にぎゅっと力を込められて、身動きが取れなくなる。男が耳元でボソリと囁く。

「―――なに呼び捨てにしてんだよ、楓のくせに」






「……タッちゃん?」
「ったく。やっぱり俺だって気付いてなかったな」

呆けた楓の声に、はぁと一度深く息をつく。そのまま何度が深呼吸をして呼吸を平常に戻す。急いで追いかけてきたから汗だくになってしまった。楓がこんなに足が速かったなんて知らなかった。生徒会じゃなくて陸上部にでも入れば多いに活躍できるだろうに。
抱きしめた相手が俺だとわかって安心したのか、腕の中の震えが少しずつ収まっていく。よっぽど怖かったんだろう、楓は俺の胸に顔を埋めたままひくひくと喉を詰まらせて泣いている。ブランコの鎖を握り締める手も真っ白に血の気が失せていて痛々しい。こんなに怯えるくらいなら人気のない公園なんかに来なければいいのに、なぜわざわざこんなところを選んだのやら。
ふるふると小動物のように震える楓の背中に手を置き、優しく撫でてやる。

「なあ、お前さ、ついこの間だって気持ち悪い変質者に付きまとわれてもニコニコしながら話をしてなかったか?あの時だって、俺が駆けつけなかったらどうなってたかわかんないんだぞ。あれは怖くなかったのかよ?」
「……怖かったよ。変なことされたらどうしようって気が気じゃなかった。でもすぐにタッちゃんが助けに来るってわかってたから頑張って我慢してたの」
「お前なぁ……」

目眩がしそうだ。こいつは俺の心を自身に繋ぎ止めるために、自分が危険に晒されても抵抗も逃げもせずに笑顔を貼り付けてじっと堪えていたらしい。俺が変質者や質の悪いナンパから助けてやったのは10回や20回なんてものじゃない。間一髪のタイミングだったことも数知れない。楓を助ける度に冷や汗をかいていたのは俺だけだと思っていたが、実際は楓の方が何倍も恐怖を感じていたのだ。
そこまでして俺に好かれようとしていた楓の根性にも呆れるが、それに10年以上気が付かなかった自分自身にも呆れて物も言えない。

「……嫌いになった、よね」
「だ、か、ら。どうしてお前はそうやって一人で勝手に思いつめるんだ。誰もそんなこと言ってないだろうが」
「だって、嫌いにならない方がおかしいよ。私、ずっとタッちゃんのこと騙してたんだよ?純粋で天真爛漫な女の子なんかじゃない。本当は、計算高くて独占欲強くて嫉妬深くて、笑顔の裏ではどんな表情を浮かべて何を考えてるか、自分にだってわかってない怖い人間なんだよ」
「そこまで言うか」
「言うよ。だって本当のことだもん。もう、元の自分がどんな人間だったのかも思い出せないの。何日も何週間も何ヶ月も何年も、夜月 龍彦に愛される朝香 楓を休むことなく延々と演じていたら、どんどん前の自分が塗り潰されていったの。怖くてたまらなかった。今まで積み重ねてきた自分が消えて行くのが悲しくて仕方がなかった。でもあなたと離れたら一人で生きていける自信がなかったから、そんなことに構ってられなかった。あなたと一緒にいれば寂しくないから、前の自分なんてどうでもいいって切り捨てた。……そうしたら、いつの間にか上っ面だけの人間になっちゃってた」

未だ俺の胸に顔を埋めている楓の表情は読み取れない。だけど、そのくぐもった小さな声は暗く沈みきっていて、表情を容易に想像できる。

「……どうして、そんなに俺を想ってくれるんだ。俺にそこまでする価値なんてない。俺みたいなどこにでもいる平凡な男、見渡せば幾らでも見つかる。お前なら、俺よりもずっとマシな男が向こうから花束持ってやって来る」

クスリと胸元で笑みが溢れる。真っ白に変色した手が鎖を離れ、雪のように冷たい指先が頬をなぞってくる。ここに俺がいることを確かめるような手付きだ。

「タッちゃんが知らないだけだよ。あなたはこの世界の中心。この世界を支える柱。他の誰にも、あなたの代わりは出来ない。だって、タッちゃんはこの世界でたった一人の主人公さんだもの」
「……意味がわからん」
「そう思ってるのは私だけだから。理解しているのも私だけ。あなたを求める理由はそれだけで十分なの。もちろん、愛した理由はそれだけじゃないけど。―――でも、だからこそ、あなたの負担にはなりたくない」

突然強められた語尾と共に、胸板をぐいと押し返される。ようやく目にした楓の顔は、こちらの胸が痛くなるような悲壮な笑顔が貼り付けられていた。楓の言う通りだ。この笑顔の裏には別の顔が潜んでいる。泣き虫の楓が隠れている。
わざわざ走って追いかけてきてやったのに、まだこんな顔を向けてくる楓に苛立ちが湧いて拳を握り締める。

「ほら、何してるの。早く天音ちゃんのところに戻ってあげないと、嫌われちゃうよ?」
「まだそんなこと言ってんのか、このバカ!まだ俺の気持ちも聞いてないくせに勝手に決め付けんな!あの子とはさっきが初対面だし、俺はお前のことを嫌ってなんかない!むしろ好きなんだよ!!」
「うん、ありがとう。でも無理しなくていいんだよ。こんな汚い人間と一緒にいたいなんて思う人、いるわけないもの。
ねえ、天音ちゃんってすっごくイイ娘なんだよ。普段はワガママだけど、仲良くなったら尽くしてくれちゃうタイプなの。なんと、お父さんは大手貿易会社の社長なんだよ。スゴイよね」

なんでそこまで詳しいんだ。まさか、俺に近づく女の子を逐一調査していたとでもいうのだろうか。このバカ女ならやりそうだ。
絶句している俺をぐいぐいと遠のけながら、空虚な笑みを浮かべて続ける。

「来てくれてありがとう。嬉しかったよ。本当に嬉しかった。嘘じゃない。この喜びだけでこれからしばらく生きていけるってくらい。さあ、行って。早く行ってあげて。お願いだから。さもないと、私、またあなたを求めちゃう。今度は包丁持ちだしてあなたを殺して自分も後を追っちゃうよ。これも嘘じゃない。あはは、私ってばどこまでも救いようがないんだから」
「……ああ、ホントにその通りだな。このバカ女」

こいつがここまで分からず屋だったとは思わなかった。「好きだ」と正直に伝えても、自棄になっているこいつの心には届かない。どうすればいい?どうすれば、楓に俺の気持ちを伝えられる?どうすれば、今にも消え入りそうな表情で俺を押しのけてくる楓を、いつもの優しい微笑みに戻せる?
予想以上の力で再び胸板を押され、一歩後ずさる。後退した足が砂場に食い込み、足元にあった砂の城を思い切り踏んづけた。いつか作ったことのある、砂の城―――。



『 今日こそ砂場にオレのでっかい城をつくるんだ。完成したらかえでもいっしょに住まわせてやるよ 』
『 ……うん、ごめんね、タッちゃん。私もおてつだいするよ。だから、いっしょに住まわせて。|ずっといっしょ《・・・・・・・》|にいて《・・・》 』



「―――あの時から、だったのか」

フラッシュバックした記憶の中で、楓が俺の手を握り返す。「いっしょに住もう」だなんて告白まがいのことをよくもまぁ臆面もなく言えたものだ。我ながら恥ずかしい。それを真に受けて自己改造を始めてしまった楓も楓だが。
こいつがどうしてこの公園に逃げ込んだのか、ようやくわかった。ここには、俺と楓の城が建っていたんだ。幼い頃に二人で一緒に住もうと誓った、五階建ての立派な城が。
一度思い出の欠片が蘇れば、芋づる式に他の記憶も引き出されていく。まだ空気の冷たい朝、バケツやスコップをかき集めて下手くそな歌を口ずさみながら公園に出かけた。太陽が天辺に昇った昼、母さんたちの持ってきた差し入れのおにぎりを口に放り込み、まだ食べ終わってない楓の手を強引に引っ張って砂場に戻った。そして、空が夕焼けと藍色のグラデーションに染まった頃、ようやく完成した自分の背丈ほどもある城を二人で前にして、泥だらけになった俺が部屋割りを決めていく。

「……“リビングは一階全部使って、キッチンは二階と客が来たときのための部屋。三階は父さんと母さんの部屋で、四階は楓の部屋にしていい。でも一番上の五階は俺の部屋だ。一人じゃ怖くて眠れない時は、俺の布団で寝てもいい”……」
「……!!」

楓が息を呑んで口を覆った。この様子だと、こいつもしっかり記憶していたらしい。俺が忘れてしまった間もずっと心の中に大切に仕舞い込んで、いつか必ず実現するものだと信じて。その一途さに胸が強く締め付けられる。

「やめてよ。なんで今さら思い出しちゃうの?せっかく頑張って諦めようとしてるのに、そんなイジワルしないでよ」
「勝手に諦めんな、バカ。いいから、さっさと作るぞ。あの時の城はまだ未完成だったんだから」
「……未完成?」

涙に濡れた瞳をキョトンと見開いて呆然とする楓をよそに、近くに放り捨てられてたバケツを拾い上げる。昼夜の温度差で湿った砂をバケツにドサドサと流し込んで上から何度も叩いて固めていく。バケツの形に圧縮された砂の塊を砂場の中心にひっくり返し、基礎を作る。十分な強度を持っていることを確認したら、またバケツに砂を流し込む作業を再開する。小さかった頃はこれだけの作業にもたくさんの時間を要していたが、今ならたった数十秒で済む。
学生服が泥と汗で汚れるのも顧みずにひたすら積み重ねていけば、あっという間に腰の高さまでの城が完成した。額に浮かんだ汗を裾で乱暴に拭って一歩引いて俯瞰すれば、突貫工事で造ったわりにはなかなか良い出来をしている。出来栄えに「うむ」と一度大きく頷き、パンパンと手を叩いて砂をはたき落とす。

「こら、なにボサっとしてんだ。早くこっちに来いよ」
「わ、わかった」

何が何やらわからないといった面持ちの楓を呼び寄せ、城の前に立たせる。肩を並べ立つ様はまるであの日のようだ。

「どうだ、いい出来だろ?これから部屋割りを決めるんだ」
「……でも、これ六階ある。一層多いよ」

楓の言うとおり、今回の城は六階建てだ。これは別に、俺が勢い余って増築してしまったわけじゃない。ちゃんとした理由があるのだ。口に出すのがかなり憚られる、言ってしまえば直ぐ様穴を掘って入りたくなるような理由が。

「これでいいんだよ。あの時の俺は将来設計が足りなかったんだ。三階までは前回と同じで、リビングとキッチンと客間と父さん母さんたちの部屋だ。四階からは違う」
「ッ。や、やっぱり、そうだよね」
「早とちりすんな。そういうことじゃない」

自分の部屋だったはずの四階がなくなったことに狼狽して蹌踉めく楓の頭を軽く小突き、一つ咳払いをして喉の調子を整える。声が緊張で裏返るのを防ぐために「あーあー」と発声をしておくのも忘れてはいけない。声帯の準備が終われば、後は覚悟を決めるだけだ。いや、本当なら「一緒に住もう」と言ったあの日に、すでに覚悟を決めておかなければならなかったんだ。事実、楓は覚悟を決めていたのだから。

「いいか、よく聞けよ。一回しか言わないからな。絶対に一回しか言わないぞ。聞き漏らしたって知らないからさ。心して聞けよ。俺だって覚悟決めたんだからな」
「う、うん」

真正面から楓に向き合い、その瞳をじっと見つめる。
男に二言はない。例えどんなに小さかった頃の何気ない一言だったとしても、必ず護るのが本当の男というものだ。ましてや―――それが求婚の言葉だったのなら、なおさらだ。

「よ、四階は、こ、こココこ、子どもべ、ビャ、こじょもべや、だ!ああ―――ッ、チクショウ!噛んだじゃねぇか!!」
「あ、あの、よく聞こえなかったんだけど」
「わぁってるよ!|俺たちの子ども《・・・・・・・》|のための部屋《・・・・・・》だって言いたかったんだよ!もう一回だけ言ってやるから耳かっぽじって―――……あっ、」

なんて締まりのない告白なんだ。よりにもよって、今この時に言葉を支えてしまうなんて格好が付かないにもほどがある。しかも言い直す前に口を滑らせてしまうとは、これはもう末代までの恥だ。
恐る恐る楓の表情を覗えば、ポカンと放心して硬直している。おかしい、感動して抱きつかれる予定だったのに。そうだ、穴を掘ろう。穴を掘ってそこに住むんだ。もうそれしかない。

「五階と六階は?」
「へ?」

俺が地面に穴を掘ろうとしゃがむ寸前、囁くような問いかけがされた。爽やかな風のように澄んだ声音が心地良い、いつもの楓の声だ。振り返れば、口元を緩ませた美少女が砂の城を愛おしげに眺めていた。

「だから、五階と六階の部屋のこと。私、まだ聞いてないよ」
「……五階がお前で、六階が俺だよ」
「一人で寝るのが怖くなったら?」
「……俺の布団に入ってもいい」

飴細工のように繊細な指先が、宝物を愛でるように六階をそっとなぞる。月光に照らされた横顔は、最高の幸せに満ちているように見えた。

「ねえ、私の案も聞いてもらっていいかな?」
「……まあ、聞いてやらんでもない」

微笑む頬をほんのりと紅く染めて、楓が四階と五階を指差す。

「四階と五階が子ども部屋で、六階が私とタッちゃんの部屋なんて、どうかな?」
「……何人産む気だ、お前」
「えーっと、サッカーチームを作られるくらい?」
「作りすぎだバカ!」
「大丈夫だよ。私、けっこう丈夫だもん」
「俺の身がもたないって言ってんだよ!!」
「あはは、タッちゃんったら甲斐性がないんだから!」

俺の激しいツッコミに、楓がケラケラと大笑する。まるで少年のように、腹の底から笑い声を吐き出して身体をくの字に曲げる。眦から涙が浮かんではポロポロと零れて、砂の城を染めていく。キラキラと光るその涙にはたくさんの感情が込められている気がして、俺は憮然としながらも腹を抱えて笑う楓を見守ってやることにした。

「……ん?」

不意に、視界の隅に見慣れない何かが映り込んだ。公園の入口付近に、抜けるような蒼色の何かが見えたのだ。俺がそちらに目を向けた瞬間、蒼い何かはそれを察知したかのようにさっと影に消えた。見間違えか何かだろうか?そういえば、蒼い色と言えば、何か言伝があった気がする。蒼色―――蒼い髪―――蒼い髪の女の子―――。

「ああ、忘れてた。天音って女の子からお前に言伝があったんだ。これを伝えればきっと落ち着くってな」
「え?私に?昼賀谷 天音から?」

心底意外だったのか、笑いをピタリと止めて目を点にする。この二人がどういう関係なのかいまいちよくわからないが、互いに何か思うところがあるらしい。

「あー、たしかこんなだったな。『ヒロインが全員集まるまでは停戦にしてあげます』とかなんとか。さっぱり意味がわからないんだが、お前にはわかるのか?」
「……うん、わかるよ。意味は教えてあげられないけど」
「女同士の秘密ってやつか?わかったわかった。深くは聞かない。ヒロインだか何だかは知らんが、俺に火の粉が降りかからなけりゃそれでいい」
「ううん。火の粉どころか火炎放射器に四方八方から狙われちゃうことになるんだよ」
「おいっ」
「大丈夫だよ、安心して」

クスリと一つ忍び笑いを零し、艶然と頬を綻ばせる。そのまま白魚のような繊手がふわりと両頬を包んでくる。しっとりとした柔肌は今まで触れてきたあらゆる物質に勝る心地良さだった。思わずとろんと顔が緩んだ俺を見て、楓の目が艶っぽく細められる。同い年のくせに、その微笑みは年上の威厳と余裕を感じさせる奥行きを秘めているように見えた。

「安心して。|他の奴ら《・・・・》に焼かれちゃう前に、私があなたを黒焦げにしてあげる。どんな女の子が来たって、そっちを見る余裕を与えないくらいに燃やし続けてあげる」
「……ぜんっぜん安心できねーよ」
「あはは、ごめんね。でも、この一年間だけ我慢して。私はきっと勝ち抜いてみせる。絶対に、命をかけて、タッちゃんを私のものにしてみせる。このお城に住むに値するヒロインになってみせる」
「その一年間で、|戦争《・・》が終わるってことか。俺がそんなに人気者だったとは知らなかった。つーか、いったい何時からそんな物々しい戦いを繰り広げてるんだ、お前は」
「生まれる前から」
「はあ?」
「あはは、冗談だよ。それも秘密にさせて」
「……秘密ばっかりだな」
「女の子には秘密が多いんだよ。知らなかった?」

そう言って、あははと無邪気に笑う。


(ここからツインテール視点に変わって、再びタツヒコ視点に戻る予定。そして楓視点の総まとめで後編は終了の予定。頑張るのだ!!)
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~ Comment ~

NoTitle 

……なん……だと……!?

まだ終わりではないというのか!
前中後編にわかれててもおかしくない感じします。

いい感じです! 読んでて気分いい!

 

続き!読まずにはいられないッ!

……楽しみにしておりますゆえ。
  • #793 ヤンデルセン神父 
  • URL 
  • 2012.10/18 20:37 
  •  ▲EntryTop 

NoTitle 

自分で決めた期限なだけであって、破っちゃっても何か不都合ある訳じゃないんだけど、守れないと何故かやたらと悔しいんですよねぇ。

私もよくやらかしちゃうんで、その気持ち凄く理解できますw

NoTitle 

 まだ前半しか見てませんが、面白いですねww
 後半は出来上がってから見たいので、あえて見ない事に……。
 ギャルゲーをリアルに直すとこういう歪みが出来るのかと、興味深いですね!
 元が男であるだけに、ジレンマが多そうです……。
 ところで……ギャルゲーって面白いんですかね……?
 いや……興味がない事も無いような……。あるような無いような……。やっぱりあるような……。


 

前後編>前中後編>そして長編へと続くんですね、わかります(笑)

いや、しかし。思わずニヤニヤしちまいますな、この展開。この先も楽しみです。

おふん 

続きが楽しみです!

そして、せっかくバーサーカーの続きが読みたいです。更新プリーズ!

NoTitle 

この後さらなる絆を求めて楓さんの家族計画発動、エロ同人みたいに!
卒業する頃には楓さんのお腹は随分大きくなっていたのだった……エロ同人みたいに!

あとお仕事ガンバッ!

NoTitle 

>川岸さん
ようやく完成しますた。なろうさんにうpしております。川岸さんの仰った通り、前中後編になりました(;´∀`)後編が思いの外長くなっちゃいまして……。

>ヤンデルセン神父さん
無事に完成しました―。番外編もアイディアが固まればまた書いてみたいと思います。ご期待いただければ幸いです!><

>眼鏡大熊猫さん
わかってくれますかっ!!「自分ならこの日のこの時間までには書き終えられる」と決めた期限だからこそ、守れなかったら自分の筆の遅さや力不足を思い知らされて悔しいのです!!まだまだってことですね(´;ω;`)

>rakiaさん
ギャルゲーは、『好きだよっ!』というマイナータイトルのPS版と、『水夏』と『恋愛CHU!!』の三本をプレイしたことがあります。ギャルゲーに入るかは定かではないですが、『Fate/hollow』もプレイしました。特に後半3つは良かったです。どちらもハートに突き刺さりました。
今回のメインヒロインの朝香 楓は、『恋愛CHU!』のメインヒロインである神崎 七海ちゃんからの影響が大きいです。健気で一途なヒロインが好きになったのもこのタイトルの影響です。ギャルゲーって、ハマると抜け出せなくなるくらい面白いですよ。そのせいで二日間ぶっ続けで徹夜して体調崩した僕がいうんだから間違い無いです。やりすぎ注意!

>名無しさん
無事に完成しますた!予想された通り、中編が増えましたwww
長編となるかは定かではないですが、自分では今のままでも及第点は得られるのではないかと考えています。何より、長編を描く余裕がないもので……(;´∀`)

>パラダイスさん
コメントありがとうございます!妄想と混沌渦巻く我がブログへようこそ!!
僕の作品に期待をして頂けて、本当に感謝です!!現在、『せっかくバーサーカー』も鋭意製作中にございます!!もうしばしお待ちくだせえ!!><

>上条信者さん
ちょwwwそんなエロ同人のような展開は―――それはそれでいいかも!!でもエロを描いたことがほとんどないので、書けたとしても寒い描写になりそうです(;∀;)
応援ありがとうございます!今日も仕事行って来ます!!

 

>>火の粉どころか火炎放射器に四方八方から狙われちゃうことになるんだよ

ちょ、こえーわww
確かに本気で攻略しにかかるわけですから、火の粉なんてもんじゃないっすねw
そして若干のヤンデレ発動!「うふふ……」なんて暗ーい声でニヤリとしているおにゃのことか……なんかゾクゾクする。股間が熱k(ry
しかも微妙にエロい方面だと……?あれですか、他の女に目をむかせないために足腰立たなくなるまでナニをs(自主規制
げっふん。
いいね。ほんとにいいね。なんでこんなに可愛いんだろね、おにゃのこって。とくにメイン(?)ヒロインの楓ちゃんはずっとペロペロしてたいですよ。元・男?カンケー無いねっ!
健気なおにゃのこが好きな俺にドストライクなヒロインとか……主様はなんで俺の好みがわかるんですか。俺を萌え殺す気なんですね分かります。
TSいいね!(`・ω・)b
健気で一途、それでいて儚くて奥手で引っ込み思案な子はど真ん中ですが、スポーツ系活発美少女もかわいいよ。汗ペロペロしたいよ。真ん中高めで絶好球だよ。振りぬいてホームランしてお持ちかえr(

何より美少女の眩しい笑顔に萌えるイザナギでした。
それではっ

 

話みました~
楓さんがちょっとヤンデレ気があるんだね…でも前を向いて他のヒロインと戦うと決めた楓さんは格好良かったw
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