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仕事場での確認用

 ←夏コミ! 3日目西すー37b!! →今日で27歳になりました。そして「エルフになって~」の試作。
納得できた感じがしてきた。もうすぐ更新できそう。











20世紀後半―――極東日の片隅、冬木と呼ばれるこの地において、『第四次聖杯戦争』の火蓋が切って落とされた。
あらゆる願いをこの世に実現させうる願望機―――『聖杯』を巡り、選ばれた7人の魔術師たちは世に名の知れた『英霊』を召喚し、己が刃として使役する。『| 従 者 《サーヴァント》』と名付けられた英霊たちは自身を召喚した魔術師を『|主人《マスター》』と認め、その超常的な技をもって同じサーヴァントと鎬を削り合い、この世に二つとない奇跡の結晶である『宝具』で敵を凌駕する。
サーヴァントは各クラスに割り当てられ、7騎が顕界する。

|剣士《セイバー》
|弓兵《アーチャー》
|槍兵《ランサー》
|騎乗兵《ライダー》
|魔術使い 《キャスター》
|暗殺者《アサシン》
|狂戦士 《バーサーカー》

7人の魔術師と7騎のサーヴァントに対し、聖杯がその尊い褒美を賜らせるのはわずか一人の魔術師と一騎のサーヴァントのみ。従って、各々が願いを手にするためには最後の最後まで互いに殺し合いを続け、陣営が一つになるまで勝利し続けなければならない。
和平の道など最初から想定されていない、全ての競争相手を倒すことのみが唯一絶対の儀式―――それが、この残酷な聖杯戦争の概要である。



さて、最初のサーヴァントの召喚を確認してから幕が開かれた此度の第四次聖杯戦争は、未だ8日目でありながらすでに3体のサーヴァントが脱落していた。ランサー、キャスター、アサシンである。過去の聖杯戦争が二週間足らずの期間で集結したことを考えれば、通常の聖杯戦争の趨勢とほとんど変わりない。

しかし―――その戦闘の全てが|たった一人の男《・・・・・・・》の掌の上で操られていたことは、200年を超える戦争の歴史において史上初めてのことであった。

|その若者《・・・・》は、30にも満たない若輩でありながら、老獪かつ神速の手腕によって戦争の趨向を完膚なきまで手球に取っていた。あらゆる戦局に彼の手は伸び、影から支配していた。しかも、彼がお膳立てした戦いは常に清爽な結末が用意されていた。時には決闘の舞台を整えてランサーに騎士の本懐を遂げさせ、時には暴走を始めたキャスター陣営に早期に刃を下し、時には胸の炎を失いかけていたアサシンに再び情熱を滾らせた。彼は、苛烈な命のやり取りの内にも“華”があり、“ルール”があることを心得ていたのだ。
さらに特筆すべきは、民間人の犠牲者をまったく生じさせていないことだ。罪のない者は決して巻き込まず、巻き込もうとする陣営は容赦なく罰せられた。彼のサーヴァントはもっとも扱いづらい|狂戦士 《バーサーカー》であったにも関わらず、ただの一度も暴走はせず、その真逆に一流の騎士の如き理性と正義に裏打ちされた振る舞いを貫いている。それがマスターの才幹によるものであったことは明白である。熟達する毎に人道の概念から遠ざかっていく|魔術師《いきもの》として大成しながら、彼はヒトの道を絶対に踏み外そうとはしなかった。徹頭徹尾、その強大な力の使い方を誤ることは無かった。


「斯く在るべき」と理想の背中を魅せつけながら、どの陣営よりも遥か先を歩む男。


後世にまで語り継がれるその名を、間桐 雁夜という。






聖杯戦争8日目




‡雁夜おじさんサイド‡


「ねえ、桜ちゃん。へ、変じゃないかな、この背広? 似合ってるかな?」
「もう、おじさんは本当に心配症なんだから。バーサーカーが頑張ってくれたんだし、もっと自信を持ってもいいと思うよ。ね、バーサーカー」
「ぐ~るる~ ┐(´∀`)┌」

 やれやれ、とでも言いたげに両肩をあげた鎧姿の大男に「うるさい!」と怒鳴りつけ、もう一度背広の襟元を整える。あと数時間後に迫った冬木教会で行われる会見―――キャスター陣営を討伐した者への追加令呪の寄贈とセイバー陣営との協議―――に望むために無理やり着せられたものだ。| 職 人 《バーサーカー》の手によって細部まで糊付けされているから乱れる心配はないのだが、しがないフリーライターとして生計を立てていた雁夜は高級な背広を着慣れていないので、自身が服に見合っていないのではないかと無性に心許無く感じているのだった。

「心配しなくても、とっても似合ってるよ、おじさん。本物の間桐の当主様みたい。もっとどっしり構えれば絶対に幼なじみを寝取られて未練タラタラな甲斐性なしだってことはバレないよ」
「けっこう辛辣だね、桜ちゃん」
「ぐるぷっ( ´,_ゝ`)」
「じゃかあしいッ! 兜での下で笑ったのちゃんとわかるんだからな! 向こうで準備してろっ!」

背を逆立てる雁夜の威嚇など屁とも気にしてない風で「ぐるっぐるっぐるっ」と気味悪く喉を鳴らしながら―――おそあれはらく笑い声なのだろう―――バーサーカーの背中が廊下に消えていくのを横目に確認し、改めて身に纏っている背広をじっくりと見下ろす。

(さすがバーサーカーだな。悔しいけど、完璧だ。いや、完璧以上だ)

間桐家そのものを想起させる藍色の下地に黒のチョークストライプが走るこの上等な背広とスラックスは、元々は兄貴――-間桐 |鶴屋《びゃくや》の所有物だった。彼が自分探しの旅に出たために持ち主を失ったそれらを桜ちゃんとバーサーカーが引っ張り出し、俺のサイズに調整したものだ。
ブリオーニ製らしく、光沢のある布地はパリっとしているのにしなやかで、身体の輪郭にしっかりとフィットしつつも窮屈さはまったく感じない。通常、高級メーカーのスーツは細部にわたってオーダーメイドで仕立てあげるものだから、別人が着ると着心地が悪くなるのが常だ。元の所有者であっても、ほんの少しの体型の変化だけで着心地が左右されてしまうほどだ。だというのに、バーサーカーによって修正されたこれらは、あたかも最初から俺のために作られたかのような着心地でこの身を包んでいる。セイバー陣営との協議の場にも十分に相応しい服装だ。

「よっ! はっ! ……凄いな、生地は厚いのに全然重くない。むしろ身体が軽くなったみたいだ」

試しに腕を軽く振ってみる。動きを阻害しないどころか、筋肉の鎧を纏っているかのような力の増幅を感じる。腕を突き出せば拳は常の何倍ものスピードで大気を捻じり、ステップを踏めば脚がバネになったような見事な跳躍を刻む。それでいて疲労が溜まる様子はまったくない。

(それだけじゃない。心が引き締まるような感覚すらある。まるで|魔力が充溢してくる《・・・・・・・・・》みたいだ)

そんな大偉業を片手間に終わらせてみせたバーサーカーの器用さにはもはや驚くまい。宝具化したハサミやらミシンやらでひょいひょいと背広をパーツごとに分解していく工程など、職人の域を超えた芸術的な何かだった。なぜか縫合する段階になると「決して覗いてはいけませんよ」と言いたげに和室にスルリと篭ったが、鶴の恩返しの真似事か何かかと呆れて覗こうとしたら瞬時に開いたふすまから飛び出てきたデコピンに額を殴られたため結局その様相を見ることは叶わなかった。細かい作業になるとさすがに兜を脱いで取り組まないといけないのかもしれない。何をそこまで隠す必要があるのやら。
でもまあ、恥ずかしいから面と向かって素直に褒めてやらないが、出来栄えは文句なしに最高だ。馬子にも衣装とはこのことで、背広の出来栄えに関しての心配は微塵もない。
心配なのは、|馬子《おれ》の方だ。

(顔がこんなんじゃあ、いくら服の見てくれがよくたって……)

 心中に重く呟き、顔の左半分をなぞる。手触りこそ異常は感じないが、それも慣れによるものかもしれない。だが、そこには間違いなく爛れて醜く崩れた顔面がある。忌むべき妖怪、間桐 臓硯が施した悪夢のような処置によって急造の魔術師となった雁夜は、その反動で肉体の大半を障害に蝕まれることとなっていた。髪の毛は残らず幽鬼のような白髪となり、肌も黄ばんで、顔面の左半分が荒れ果てた。“|生ける死人《ゾンビ》”という比喩が的確すぎて、まるで自身のために用意された言葉だなと自嘲すら浮かぶ。正当な知識と修練を積んだ魔術師であれば、この醜態を一目見ただけで急拵えの欠陥魔術師だと察することが出来るだろう。ましてやセイバー陣営―――殿上の血筋であるアインツベルンの魔術師となれば、すぐに看破するに違いない。それでは協議において相手に足元を見られ、こちらの分が悪くなるだけだ。かと言って協議の誘いを無視すれば、バーサーカー陣営には根城から出られない事情があるのだと勘ぐられ、間桐邸を襲撃される可能性が出てくる。そうなれば、桜の身に危険が生じてしまう。それを防ぐためにも“|間桐 雁夜の根城《・・・・・・・》|には襲う価値がない《・・・・・・・・・》”と思わせなければならない。

「はぁ……」

せめて仮面か何かで顔を隠すべきかと悩み、そんなことをすればより怪しまれるだけだと|頭《こうべ》を振るう。自身の顔すら直視できない情けなさに暗い溜息をついていると、不意に隣から桜の呆れ声が投げかけられた。

「ねえ、おじさん。もしかして最近、鏡で自分の顔見てないでしょ」
「え?」

 ムッとした呆れ顔で見上げてくる桜に、雁夜は困惑する。自分の顔におぞましさを覚え始めてから、雁夜は鏡を見ることを意識的にも無意識的にも避けていた。だから、ここ数日は自分の顔をまともに見ていないのだ。不機嫌そうな桜の表情を測りあぐねていると、ふと、桜が自分の顔を真っ直ぐに|直視できている《・・・・・・・》ことにようやく気付いた。

(……そういえば、最近、俺の顔を怖がってない)

聖杯戦争開始前、まだバーサーカーが現れず、二人が臓硯の支配下にあった頃は、廊下で出くわす度に桜は雁夜を見て恐怖に身を竦めていた。桜が闇夜にトイレを目指していた最中、偶然にも同じ目的地を目指して廊下の角からぬうっと出てきた雁夜に遭遇した時など、「ばいおはざーど!」と叫んでばったりと気絶していた。さしもの臓硯でさえ、やはり同じような状況で遭遇した際は「ばたりあん!」と素っ頓狂な声をあげたものだ。

「さ、桜ちゃん、おじさんの顔が怖くないのかい?」

おずおずとした雁夜の問いかけにパチクリと紺色の瞳が開け閉めされたのもつかの間、「あーっ! やっぱり気付いてなかった!」と非難の声が投げかけられる。いよいよ困惑して泡を食う雁夜の手元に、どこから取り出したのか可愛らしげな手鏡がずいっと差し出される。

「見て!」
「え、でも……」
「いいから、鏡を見てみてっ!」

 痺れを切らした桜が「まったくもう!」と頬を膨らませてぐいぐいと鏡を手渡してくる。雁夜にとって、死に絶えて腐っていく顔面は朽ちていく己の命の写しだ。直視する度に確実に近づいてくる“死”の腐臭を感じて悔しさに歯噛みしていた。それを敢えて見てみろという桜の真意がわからず、雁夜は戸惑いながらもムッツリ顔で己を見上げる少女に気圧されて躊躇いがちに小さな手鏡を覗く。

まず緊張に引きつる顔の右半分が映り、
ゆっくりとゾンビのような左半分が映り―――
醜い、はずの、左半分が―――………



「|おじさんの顔《・・・・・・》、|とっくに元に《・・・・・・》|戻ってるんだよ《・・・・・・・》!」








‡バーサーカーサイド‡


さあさあ、やって来ました聖杯戦争8日目! 原作なら今夜に凛ちゃんが冒険に出てトラウマ覚えたり、アインツベルン城で王様×3の酒盛りイベントがあるんだけど、この夢のお話ではそうはなってなくて、なんとバーサーカー陣営とセイバー陣営の協議が正午に言峰教会で行われる日になってる! キャスターを倒した陣営に令呪が進呈されるということで、共闘して打ち倒したセイバー陣営とバーサーカー陣営にお呼びがかかったのだ。原作では見向きもされなかった雁夜おじさんも出世したもんだ。
しかもその席で、セイバー陣営からの大切なお話があるという。原作では、言峰 璃正神父をケイネス先生に殺されて不安を覚えた時臣おじさんがセイバー陣営を教会に呼び出して共闘を要請していたし、これも同じ流れなのかもしれない。この原作との乖離もイレギュラーである俺のせいなのだろうか? いやいや、まさかね! 俺ってば雁夜おじさんと桜ちゃんを助けることしかしてないし、ほとんど料理してるだけだし!

 そんでもって、そんな大事なイベントを控えた俺が何をしているのかというと、応接間と、気合の入ったゴチソウの準備だ。なんでこんなことをしているのかは後でちゃんとわかるのだ。
さて、間桐家の応接間は、妖怪バグ爺さんの趣味だったのか、広いくせにどんよりとしていて監獄みたいだった。そういうのはこれからもここで暮らしていく雁夜おじさんや桜ちゃんの精神衛生上とっても良くないから、ムダに分厚いカーテンを全部ひっぺがして全部雑巾にしてやった後、窓辺に物を置かないように家具の配置換えをしたり、壁に必殺バーサーカーパンチをかまして採光兼換気用の窓を拡張したりしました。もちろん、家の強度を維持するための耐震化工事も同時進行です。
というわけで、とび技能士と建築士とリフォームスタイリストとインテリアコーディネーターの資格を持つ俺の手に掛かれば、陽の光をふんだんに取り入れた暖かな応接間の出来上がりってわけですよ。カーテンは青空みたいなコバルトブルー色にしました。生地は薄いけど断熱性は抜群なスイス製なので、昼間は日光だけで十分明るい! キャンドルスタイルの照明器具はそのままにして管球の明度をグレードアップしておいたから、夜は古風で上品な雰囲気を保ちつつも部屋全体が明るくなるでしょう。カーテンと濃藍色の絨毯とのグラデーションも完璧です。黒檀のテーブルもマホガニーの椅子も家具用ワックスでピッカピカに磨き上げたから生まれ変わったみたいに輝いてる。
最後に、だだっ広いテーブルの上にバロック様式のアンティーク燭台を載せれば―――――なんということでしょう!(サザエさん風に) おどろおどろしいお化け屋敷の一室が、まるで一流ホテルのような洋風応接間に早変わり! これにはタラちゃんもビックリして変な足音立てなくなっちゃうよ! あの足音、どんな走り方すれば出せるんだろうね!

腰を入れて改装した甲斐があって、我ながら完璧な出来栄えに大満足。よしよし、後は昨夜から下拵えしていた料理を完成させなければ。塩漬けにした牛肉がちょうどいい塩梅に引き締まってる頃だろう。

―――などと余った家具用ワックスで|少し軽くなった《・・・・・・・》自分の兜も磨きながら応接間の完成度に惚れ惚れしていると、ドタドタと廊下を走る音が近づいてきた。この落ち着きのない足音は雁夜おじさんだな。ついこの間まで半身不随だったのに元気だなあ。

「ば、バーサーカー、ここかっ!?」
「ぐる?」

どうしたんだい、そんなに慌てて部屋に飛び込んできて。せっかく色々と苦労した背広がシワだらけになっちゃうぞ。またアイロン掛けしないといけなくなるじゃないか。
息を荒げるおじさんの様子に首を傾げていると、突然頭をガバリと上げてずんずんと俺に歩み寄ってきた。俺の目の前に顔をぐいと近づけて、その左半分をビシッと指さす。

「この顔を見てくれ。こいつをどう思う?」
「うごご……ぐるるるる……」

すごく……普通です……ってなに言わせるんだ。
俺の答えで確信を得たらしいおじさんが、それでもまだ信じられないのか自分の顔をベタベタと撫で回す。心配しなくても目と鼻と口以外は何もついていないぞ。採寸するために裸にひん剥いたせいでおかしくなっちゃったのか?

「な、治ってる! 髪も元通りに黒くなってる! そういえば、両目ともちゃんと見える! な、なぜだ? お前、何かしたのか!?」

ああ、なるほど。奇行に納得してガチャンと手甲を叩く。どうやら今さらになって自分の顔が元に戻っていることに気付いたらしい。どんだけ鏡を見てなかったんだか。

その通り! 何を隠そう、それは俺の仕業なのだ!
思いついたキッカケは、オジサンたちのためにグリーンカレーを作っていた時のことだ。弱っていく桜ちゃんと余命わずかのオジサンを救いたいが、第四時聖杯戦争の時点での聖杯は、前回に脱落した|この世の全ての悪《アンリマユ》に侵食されていて使えない。
さてどうしたもんかと頭を悩ませていたら、ふと宝具化した調理器具が目に入った。それはランスロットの固有宝具である『|騎士は徒手にて死せず《ナイト・オブ・オーナー》』の効果の発現だということはすぐにわかったが、それが持つ絶大な可能性について閃いたのは本当に偶然だった。
グツグツとカレーが煮える音が、間桐家に置いてあった古臭い鉄鍋のそれではなく、もっと高価な―――まるでル・クルーゼ製の一級の鋳物鍋のような心地良い耳あたりだったのだ。鍋の蓋を開けて菜箸で具材をつついてみれば、先ほど投入したばかりのはずの根野菜はすんなりと菜箸を吸い込んだ。ホクホクに温まっているのに繊維がまだしっかりとしていてグズグズに崩れていないのは、ムラなく熱が通っている証拠だ。旨みと栄養をたっぷりと保持したままスパイスの味がじっくりと芯まで染み込んでいくのが目に見えるようだった。火に掛け始めたばかりとは到底思えない具材たちを丹念に見回し、俺は「この手があった!」と確信した。

『手にしたモノに宝具属性を付与する』―――かつて、丸腰だったランスロットが敵の罠にかかり、拾った木の枝だけで重装備の敵集団を相手取って勝利したエピソードを由来とする能力だ。原作ではただの鉄パイプを宝具化させて、セイバーの聖剣エクスカリバーと互角に切り結んでたくらいに強力な能力だ。だったら、鍋やらまな板やら包丁やらを宝具化すれば、それで調理された料理にも効果の一部が現れておかしくない。その証拠がこの美味そうな匂いを立たせるグリーンカレーだ。

要するに―――聖杯が呪われていて頼れない状況で、桜ちゃんと雁夜オジサンの衰弱していく命を早急に助けるために俺が考えて実行しているのは、単なる『食事療法』なのだ。

おっと、回想してたら塩漬け肉のこと忘れてた。他にも色々と|準備《・・》しないといけないことはたくさんあるんだ。

「お、おい!? 待てよ、バーサーカー! まだ質問の答えを聞いてないぞ!」

日夜、古い細胞と新しい細胞が入れ替わっていく人間の肉体は口から食べた物によって創られる。昨日の食事が今日の身体を作り、今日の食事が明日の身体を作るのだ。第五次聖杯戦争のセイバーも、食べ物を摂取することで魔力の補給と傷の治癒を行っていたくらいだ。
ならば、その食べ物に宝具の力が宿っていれば、どうなるか。
昨日の奇跡の食事は、今日の元気で力強い身体を創る。新しく力強い細胞が悪性の細胞に取って代わる。さらに、今日の奇跡の食事がまた古く弱った細胞を駆逐し、健康な身体を創る。それを繰り返していけば、やがて最後には間桐の呪いを自力で克服出来るというわけだ。
 管理栄養養士の資格を持つ俺でも魔術の悪影響を打ち消す献立作りには苦労した。主食には新鮮出来立ての炭水化物、主菜には良質なタンパク質、副菜には豊富なビタミン、鉄分、カロテン、ミネラル、その他デザートやオヤツには乳製品や果物を積極的に食べてもらった。その日の雁夜おじさんたちの顔色や体調を見て、どんな栄養素をどのタイミングでどれほど摂取してもらうか、食べ合わせにもひじょ~に気を使った。
冬木市の商店街は新鮮な旬の食べ物が豊富でだいぶ助けられたが、俺の能力はしょせん擬似宝具で、宝具ランクもDと最低レベルだ。効果には限界がある。そんな悩みを抱えてる中で、港湾区戦でギルガメッシュの宝具を奪えたのは大きかった。夜の埠頭でサーヴァントたちの初邂逅があった中、ギルガメッシュが原作通りに俺に向かって宝具の雨を降らせてきた際、ちょーどいい短刀型の宝具を投げてくれたのでありがたく頂戴させてもらったのだ。今では包丁として立派に役に立ってもらってます。アーチャーの宝具はどれもAランクなので、当然、料理に宿る効果も今までとは比べ物にならない。斬りにくい豚のレバーも薄紙のように歯が通る。オジサンは原作で吐血ばっかりしてるイメージだったから、豚レバーと鶏レバーをごま油と砂糖醤油で炒めた甘辛焼きをたくさん食べて血を増やしてもらおう。
あ、そういえば今ここにオジサンいるじゃん。何か質問されてたような気がするけど、そんなことなかったぜ。ちょうどいいや、ちょっとコレ味見してみてよ。

「無視しないで話を聴モガがっ!?」

どうよ? 牛乳でしっかり臭みをとっておいたから癖がないでしょ?

「」
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