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【オファニムさんありがとう】僕は、君という夢を見る ~ Schlacht von Lindwurm ~【異世界TS憑依ロボットファンタジー小説の試作】(更新 5/26)

 ←皆月なななさんのツイートを丸パクリしたTS小説 →【小説】異世界の聖女四人が人類を護るためにオーク軍勢の前に立ちはだかるも、実は全員、前世が歴戦の仮面ライダーだったので、「変身!」の雄叫びとともに元の姿に戻ってオークどもをずたずたに蹴散らす話。【書いたよ】
 タイトル通りです。少しだけ書いてみます。オファニムさん、僕の思いつきのツイートに反応してくれて、ありがとうございます!

オファニムさんから、主人公と乗機リントヴルムのイラストを頂きました!感謝!
イラストがあると小説の描写もいっそう具体的に描くことが出来るようになるので、助かりまくりですし、描くのが楽しくて仕方なくなります!!リントヴルムかっけえ~~!!
リントヴルム リントヴルム2 主人公(セラ)2 主人公(セラ) 


 
───ここではない、どこかの世界で、

『デュアル・エンジンコア、スタートアップ・レディ。
 ドラゴンコア、チェック。シャーマンコア、チェック。
 スターターレディランプ、グリーン』

───僕は、僕ではない少女となって、

『サブパワーユニット、チェック……グリーン。
 オールシステム、グリーン。
 メインエンジン、スタート。3、2、1、グランド(始動)』

───巨大なロボットに乗って、戦っていた。

『行くぞ、リントヴルム!!』



 数年前から、僕は不思議な夢を見るようになっていた。夜でも、昼でも、小春日和にほんの少し眠気に誘われた時でも。どんな時でも必ず、同じ世界の、同じ人物の夢を見ていた。
 そこは奇妙な世界だった。山々の起伏がほとんどない緑の絨毯が広がり、その広大な領地とそこに住む領民を貴族たちが支配する、中世ヨーロッパの封建社会そっくりの世界。だけど、その夢の世界には、僕の知っている歴史上の中世とは明確に異なる“巨大な要素”があった。

 猛烈な金属音が雲を突き上げる。大地に巨大な鉄片が雨のように降り注ぎ、地面を深々と抉り吹き飛ばす。次いで膝をつく、“巨人”───巨大な人型ロボット。

 その世界は、文明レベルは中世並なのに、人間が操縦するロボットの技術だけ異常なまでに突出して進歩した世界だった。
 最強の国王が存在し、その下で領土を割譲された貴族の領主たちが土地と民を支配している。通常の戦力は有しておらず、その代わりに使用されるのが、このロボット───『守護戦騎』だった。
 一貴族に一騎のみ保有が許されたそれは、普通の軍隊より遥かに強力な戦力の役割を担い、貴族間での領土紛争や決闘が生じた際に使用される。それぞれの貴族家が威信をかけて巨額の費用と高度なテクノロジーを注ぎ込んで建造したそれらは、その秘めたる破壊力故に、数百年前の建造当時の領主から続く代々血統の子孫にしか扱えないという制約を受けている。本家から派生した分家にも特別に保有が許される場合もあるが、弱肉強食の世界では、かつて兄弟であった両家ですら一方を喰らわんと守護戦騎をけしかける悲劇も起きていた。
 そしてその悲劇が、まさにこの僕───この世界での“少女”の境遇なのだ。

「きゃああっ!」
(うわっ……!)

 たたらを踏んだ一方の守護戦騎が、砕かれた装甲の破片を散らせながら轟音と共に仰向けに倒れる。視界の両隅にピンクゴールドの髪が靡く。まるでスローモーションのような浮遊感に戸惑う暇なく、ズズンと大きな地響きが草原を底から揺らした。現実世界での6~7階ビルに相当するほどの巨体が収穫前の小麦畑に勢いよく衝突する。500トン近い鉄の塊が転倒する衝撃は、凄まじいの一言だ。火山爆発かと聞き間違うような轟音が小麦の海原に轟音の津波を引き起こし、それが伝播した近隣の林から大小様々な鳥が驚いて飛び去った。
 その分厚い胸部装甲の内側で、少女(/僕)がヒステリックに喚いて統合操縦桿(コントロールグリップ)を拳で打つ。水晶を埋め込んだような一対の操縦桿には傷一つつかず、少女の白い手に痛々しい紫の痣が浮き出る。反射的に吐き出しそうになった小さな悲鳴を、僕とは正反対の性格の力でむりやり飲み下して、少女が両の水晶を掴んでギリと力を込める。

「なにしてるのよ、この“オンボロリント”! 早く起き上がりなさいよっ!」

 少女の鍛えられた三半規管はこの程度では平衡感覚を失わないらしい。可憐な声には似合わないキツイ口調で叱咤しながら、己の機体を立ち上がらせようと歯を食いしばる。ウンウンと唸り声のような機関音が球形の操縦席を下から振動させ、緩慢な動作で機体が半身を起こす。鉄の軋む耳障りな不協和音が鼓膜をひっかく。衝撃で歪んだ増加装甲が摩擦し合って、この老体の動きをさらに縛っているらしかった。

「早く動かないと、またやられちゃう……!」
 
 少女の焦りをわざと倍増させるかのように、巨人がようやく地面に手をついて蹌踉めきながら片膝を上げる。今際の呼気のような排気が鎧の隙間という隙間から弱々しく息吹き、巻き上げられた塵埃が周囲を薄茶色の膜で覆った。途端に目の前に表示される『エグゾーストヒートレート(排熱効率)ダウン』のレッドアラート。幾重にも外付けされた分厚い増加装甲のせいで、本来の排熱性能が発揮されていないのだ。

(やっぱり、鎧が負担になってるんだ)

 そう、この機体は、装甲の上にさらに装甲を外付けされ、その上からさらに分厚い装甲を取り付けられた、防御に特化した機体だった。これなら、勝つことは出来なくても敗れはしないし、この馬鹿みたいに重ね着した装甲の第一の目的として、操縦者の死は絶対に避けられる。そういう意味では無敵かもしれないけど、今回ばかりは事情が違った。少女はなんとしても立ち上がらなくてはならない。
 ズズズ、ズズズ……と畑を必要以上に深く耕しながら巨体がゆっくりと腰を上げる。本当に緩慢だ。まるで老人のような鈍さに、夢を見ているだけの僕ですらじれったくて歯噛みしそうになる。その様子を足元に見下ろしている少女はとっくの昔にギリギリと歯噛みして、大きな目を血走らせていた。操縦席───コックピッド・ポッドは、内側から見るとまるで透明なガラス玉だ。視界を遮る複雑なスイッチや計器類はほとんどない。見える範囲も、それ以外の箇所も、360度すべて湾曲したモニターで埋め尽くされていて、全方位を完璧に視野にいれることができ、その場その場で必要な情報がそこに投影される。現実世界の高画質ディスプレイなどより遥かに高精細な画像に僕が密かに感心したのも束の間、突如その画像に砂嵐が交じる。それは次々に別のモニターへと派生していって、あっという間に全周モニターは全周の名を返上にかかる。もともと非力だった機関音が秒ごとに漸減し、ゼンマイ切れのオルゴールと化す。

「うそ───うそ、うそっ! ねえ、リント! リントヴルム! ここで止まるなんて、冗談やめてよ!」

 少女がヒステリック極まれりというほどに動転しながらグリップを力任せに握りひねるも、状況が好転する様子はない。“リントヴルム”と呼ばれた機体は搭乗者の声など無視してその目から光を失い始める。少女の身体から急激にアドレナリンが抜け、足先まで冷えていくのを感じる。目前のモニターに赤い文字が警告するように点滅している。アルファベットやアラビア文字に似つつも端々で異なる言語は、だけど、少女を介した僕には理解できた。

『ドラゴンコア・パワー、ダウン。シャーマンコア・パワー、ダウン。ドライバー・コア・ブラッドプレシジョン・レイト(操縦者とコアとの血統適合率)、ダウン。15パーセント』
『セーフティ・システム、スタート。シフト・エネルギーセーブモード。ジェネレーティング・パワー、10パーセント』
(また、これか!)

 やはり少女を介して何年もこの世界を見てきた僕には、それが示す残酷な意味もよくわかった。この強靭な兵器は、正しい血統に連なる子孫なら誰でも操縦の資格がある。しかし、それは“誰にでもフルパワーを発揮させることが出来る”とは同義ではない。満足に動かせる者と動かせない者の差異は、修練ではなく、生まれ持っての血統で決まってしまう。そして少女は、まさに少女自身の技量や資質ではなく、本人にはどうしようもない“血の濃淡”によって機体のコントロールを失おうとしていた。

『ははは───どうした、セラ! リントの爺さまが言うことを聞いてくれぬか!?』

 スピーカーを通したような嘲笑が機外マイクを介してコックピットポッドに反響した。相手を押しのけることを厭わない、若い男の声。息を呑んだ少女が細肩をギクリと震わせ、赤色以外の表示がほとんどない戦術ディスプレイをハッと見上げる。正面、渦巻く土煙に、もう一機の巨人の影がゆらりと浮かんだ。全ての異常表示を押しのけて、『デンジャー(危険)。エネミー・インサイト(敵機接近)』の表示が最大音量のアラートを発する。

『IR(赤外線)センサー、AP(空間受動)センサー、コンタクト(感あり)。トゥエルブ(12時方向)。レンス(距離)、121.4マーティア。エネミーコード、“ドラッヘ”』

 塵埃の幕を切り裂いて、鮮やかな藍色の機体が歩み出る。リントヴルムより二回りは小型だが、いかにも俊敏そうな細身で、随所に鋭角な突起が見られる攻撃的な輪郭。ドーベルマンのように尖った頭部のバイザーの下でモノアイカメラがギラついている。その名を“ドラッヘ”。少女を現在進行形で痛めつけている、決闘相手の守護戦騎だ。

『気安く私の名前を呼ばないで!』
『俺はリンデ・フリーレンス本家の長兄だぞ、分家ごときの娘っ子を略称で呼ぶことの何が悪徳であるものか』

 尊大で傲慢は声はドラッヘの頭部から発せられている。搭乗者の態度をそのまま表すように、ドラへがその手に握る剣を降ってみせる。ドラッヘの半身ほどはある長い刀身は真っ赤に赤熱し、そこに触れた大気を焼いて蜃気楼を揺らめかせている。柄の部分からは太いケーブルが伸びていて、ドラッヘの背部に接続されている。そこからエネルギーを供給された刀身は膨大な熱を有し、触れるもの全てをその材質に関わらず両断する。その剣のせいで、こちらの機体の増加装甲はいとも容易く粉砕され、こうして窮地に陥っているのだった。せっかくの分厚い装甲も、あのバーナーのような剣の前ではバターのように溶断されてしまう。

『然と目に焼き付けよ、このバーンソードの切れ味を! ドラゴンコアのエネルギーをそのまま刀身へと流し込むことで敵の装甲を溶かし斬る最強の兵器よ! これに掛かれば、アダマント以外のあらゆる金属は紙のようなもの! これほどの業物は皇国でも二つとない! これを扱えるのも、我がドラッヘが皇国最新鋭の守護戦騎である証だ!』

 高笑いと同時に剣が振るわれる。まるで人間がそのまま巨大化したかのように滑らかで俊敏な攻撃だ。少女が身構えた次の瞬間、激震とともに肩部の多層装甲がごっそりと削られて宙を舞う。重量バランスを大きく崩されたリントヴルムの姿勢がグラリとシーソーのように傾く。持ち前の硬い装甲でなんとか不敗を維持していたリントヴルムだが、有効な抵抗をしなければ今回ばかりは勝ち目がない。その上、機体が動かなくなってしまってはまな板の上の鯉だ。ドラッヘのモノアイがギラリとぬめ光り、残忍に細められる。恐怖で視界がボヤけ、少女にはドラッヘの姿が何倍にも大きく見えた。瞳孔が開いて涙が滲む。

(───あれ? でも、ドラッヘのあの剣、なんだか様子がおかしい……)

 動揺に肩で息をする少女をよそに、僕は冷静な目でドラッヘの異変を察知した。ドラッヘの剣全体から浮いていた蜃気楼が緩やかに消失し、煌々と赤熱していた刀身が冷えていく。残ったのは、熱せられたチタンに似たマーブル模様の金属板だった。相手も同じく気付いたらしく、ドラッヘがギョッとした仕草で己の剣を見下ろした。機外スピーカーから鋭い舌打ちが聴こえ、隠しもしない不快感を伝えてくる。

『やはり、どこぞのものとの知れぬ小竜の心臓(コア)では長くは持たぬか。はよう交換せねば、なッ!!』
「きゃあっ!?」

 言い終えるか終えないかというところで、突然の襲撃を受ける。まるで猛禽類の急降下のような、目にも留まらぬ動きだった。苛立ちをそのままぶつけられ、木偶の坊となっていたリントブルムは簡単に態勢を崩した。さらに一撃、二撃と力任せの攻撃を加えられ、抵抗もできないこちらは根を削られた大木のように揺らぎ、何の受け身もとれずに再び大地を叩いた。シートの衝撃吸収装置が全力で操縦者を守るが、奥歯はガクガクとかち合い、全身の骨が軋みをあげる。『ドライバー・コア・ブラッドプレシジョン・レイト(操縦者とコアとの血統適合率)、ダウン。10パーセント』。非協力的な機体は無慈悲に少女を切り離そうとする。全周モニターはついに正面の残り一枚を維持するだけとなる。それでも、リントブルムの腹を踏みつけてこちらを見下ろすドラッヘからの追撃は止まらない。乱暴に振るわれたバーンソードがリントブルムの頭や胸を激しく打ち付ける。熱を失った剣は装甲を破ることはないが、数メートル先に敵意を持った鋼鉄が振り下ろされているという事実はまだ幼い少女を竦み上がらせるに十分だった。10回ほど振るったところで、無意味だと嫌々理解したドラッヘが舌打ちを響かせてリントブルムから降りる。

『さすが、我らの先祖たちが大枚をはたいて取り付けた装甲なだけはある。よほどのことでは破れはせん。“最強のリントブルム”などという大層なあだ名もあながち間違いではあるまいよ』

 髪を掻き上げて汗を拭う様子が透けて見えるようだ。称賛とは真逆の色をありありと滲ませる嘲笑の声には、しかしどこか悔しさも垣間見える。ドラッヘが一歩、二歩と後退する。バーンソードが機能不全を起こした今、小型軽量のドラッヘにはリントヴルムの厚い装甲を貫く手段がないのだ。あちらのトラブルに救われた形だが、ただの幸運だ。薄氷の勝利とすらも呼べない。

『守護戦騎もろくに扱えぬ、“薄れ血”め』

 “薄れ血”。その言葉には、心の底から軽蔑するような唾棄の気配があった。実際、この夢の世界ではその言葉は貴族にとってこれ以上ない侮蔑を意味する。それを表すように、少女の拳が明確に反応し、怒気を握る。

(駄目だ、セラ!)

 僕は思わず声を上げて少女を制止しようとする。届くはずもないのに、少女の性格を誰よりも知っている僕は声を荒らげずにはいられなかった。いや、ある意味では相手のほうが少女の性格のことを熟知している。短所を調べ尽くし、意地悪く利用しようとしている。

「薄れ血、ですって……?」
『ああそうとも。ブラッドプレシジョン・レイトは何パーセントなのだ? 20か? いやもっと低いだろうな。起動させるのもままなるまいよ。だから叔父上には警告してやったのだ。分家とはいえ、神聖なる我がリンデ・フリーレンス家の者が平民の女なぞを嫁にすべきではないとな。見てのとおりだ───穢れてしまった』
「母さまのことを侮辱するな!!!!」

 瞬間、狂犬のように少女の身体が跳ね上がる。シートに固定するハーネスがなければ今頃コックピッド・ポッド内に転がり落ちていただろう。そんなことなど意に介さず、少女は犬歯が見えるほど口を開けて憤怒に叫ぶ。焦点を失いかけた目は血走り、理性をかなぐり捨ててしまっている。すぐに熱くなるのは少女の悪い癖だ。特に、慕っていた両親のことを悪く言われると、少女は冷静さを失う。そうして相手の思惑にまんまとハマってしまう。

『事実ではないか。どんな色仕掛けをしたのかはしらぬが、見事にほだしてみせたものよ。もしや、お前の母は我が分家を貶めようとする他家の間者だったのではないか?』
「黙れ!!」

 モニターに爪を立てる少女の剣幕にも物怖じする様子は一切なく、『おお、恐ろしい』と余裕綽々の相手は続ける。

『お前が引き継いだのは、父の僅かな遺産と、母の顔立ちだけだ。到底、この領土を維持し、領民を食わせていくなど無理は話よ。ふむ、あと5年もすれば母をも超える美貌になるだろう。どうだ、俺の妾になる気はないか? 男と女をそれぞれ2人ほど産めるなら贅沢な暮らしをさせてやるぞ』

 嗤笑と舌なめずりの気配に、直接欲望を向けられたわけではない僕にも怖気が走る。

「黙れッ、黙れッ!! 父さまと母さまの苦労も知らずに、お前なんかに何がわかる!!」
『黙らせたいか、そんなにこの俺を黙らせたいか、この娘っ子が。礼儀を知らぬ雌餓鬼が。ならば再戦するか? 再び決闘を申し込んでくるか? ん?』
「するわ、するとも! 戦ってやる!!」

 僕は苦悩する。肉体があれば手の平で目元を抑えていただろうし、それ以上に無理矢理にでも少女の口をふさいでいた。頭に血が上った少女は相手の術中にハマったことにも気が付かない。再戦となれば、ドラッヘはバーンソードを万全な状態にしてやってくる。そうなったら勝ち目などないのに、簡単に挑発に乗ってしまった。いや、本来は聡明であるはずの少女はおそらく相手の意図に気がついている。でも、怒りで本来の聡明さを忘れてしまっているのだ。自分が我を忘れていたとようやく理解するのは、いつも取り返しがつかなくなってからだ。
 くつくつと喉を鳴らし、ドラッヘが踵を返す。バーンソードを腰部のアタッチメントにマウントする動作は流れるように美しく、皇国最新鋭の自称が嘘ではないことをはっきりと証明している。こちらが1歩進む間に3歩も4歩も先んじるのだ。勝ち目などない。

『よかろう。受けて立ってやろうではないか。明日の同時刻に再戦だ。次に相合う時こそ、決着をつけてやる。我らがウィリアム・ストラマー・ソーンソン皇帝の定めた新貴族法に従い、決闘で勝利した者は敗者に対しあらゆる要求をする権利が与えられ、また敗者は従う義務を負う。セラ、俺から謝罪を引き出したいのなら、精々気張るがいいぞ』

 『もっとも、そんな役立たずの爺さまでは無理だろうがな』。吐き捨てるように言い残し、ドラッヘは小麦畑を踏み潰しながら去ろうとする。離れたところで、その畑の持ち主なのだろう老齢の男女が諦観と悲哀の目でぐちゃぐちゃにされた小麦を見ている。文句は言えないし、保証もされない。受け入れるしかない。そう訴える彼らの澱んだ瞳が、僅かな救いを求めてこちらを見上げる。しかし、彼らを庇護するはずの領主───少女の機体はやはり小麦畑の上に横たわったまま微動だにできず、老夫婦は肩を抱き合って悲しみに頭をうな垂れた。
 突如、彼らの頭上に轟音が覆いかぶさった。空気と肌がビリビリと振動し、全員がハッと上を見上げる。ドラッヘもそのバイザーを空高くへ向け、『おおっ!』と驚きの声を上げた。すぐさま、先ほどまでの底意地の悪さは消えて、恭しく片膝を付いて傅いてまで見せる。そこには、轟々と爆音を轟かせ、青空を両断するように見事な飛行機雲が南北に沿って真っ直ぐな飛行機雲を描いていた。呆然とする少女に先んじて、リントヴルムの索敵装置が音の発生源を自動でフォーカスし、モニターに表示する。『コードネーム“アンフェスヴァエナ”』。
 陽光を鋭く反射させながら、遥か高空を一機の航空機が飛んでいた。いや、この世界には航空機は存在しない。空を飛ぶ特権を有しているのは、この皇国で唯一飛翔能力を持った特別なロボット───『皇帝戦騎』“アンフェスヴァエナ”のみ。
 人型を模した巨体は黄金比を描き、スマートでありながら重厚感を失わない究極のバランスを象っている。完璧すぎて、まるで巨大な人間が西洋鎧を着込んだかのようだ。しかも高貴な鎧を。
 額部には伝説の一角獣のような刃が雄々しく突き立っている。くすみ一つすらない白銀の装甲はまるで我こそが太陽だと言わんばかりに強烈に輝いている。この輝きこそ、破壊不可能と称されるほどの硬度を誇る超高強度金属『アダマント』のそれだ。鉱山を掘り返してもほんの一握りしか産出されない貴重なそれを内・外骨格にまで余すところなく使用した機体の背部には、これもまたアダマントで覆われた飛翔ユニットが大気を燃やして機体を飛ばしている。被支配者たちを神の如く高みから睥睨する姿は、まさに神仏のような神々しさを放っていた。

『ウィリアム皇帝陛下、万歳!! ソーンソン家に栄光あれ!!』

 ドラッヘが仰々しい動作で胸を拳で打ち、深々と頭部を下げる。賛美するというより、懇願し、媚びへつらうような態度だ。さっきの高飛車な様子からは一変している。この傲岸不遜な男がそれほど恐れる存在なのだ。この皇国を力で治める皇帝の力の象徴。絶対者の剣であり盾。それがアンフェスヴァエナだ。しかし、上空のアンフェスヴァエナは己に敬服する声など気にも留めなかった。聴こえも見えてもいないかのように、足元の存在など歯牙にも掛けず、飛び去っていく。








天使のように高貴な

肌が焦げるような痛み


抜けるような白い肌がみるみる青ざめていく


排気音(エグゾーストノート)



リアリティ
鋼鉄の拳が衝突する。何十トンもの質量が秒速の次元でぶつかり合う衝撃。
インパクトの数秒前、アドレナリンが噴き出して体感する五感全てが何倍にも引き伸ばされる感覚。
稲妻が眼の前に直撃したような、それ以上の衝撃音。
鼓膜から踊りこんできた爆音が身体の内側で反響し、皮膚が内側から張り裂けそうになる。
きつく食いしばった歯茎がお尻から滲む血の味。
ぎゅっと勝手に引き締まる浮遊感。
振り上げられる敵の剣。
死の恐怖。


包み込むような慈愛に満ちた眼差し。本来の少女の性格が透かし見えたが、やがてすぐに彼女を取り巻く状況に押し流されて消えた。


惚けた声

目の奥に潜ませた業火

胸郭の中で心臓が踊り狂う。

振動が襲いかかってきても、リントヴルムは一向に揺るがない。
爆炎が風に流される。傷一つない装甲は、紛れもないアダマントの輝きを放っている。
雄々しくそびえ立つ。

意識が熱を帯びる。

身体が火照り、血が沸き立つ

薄氷の勝利
青木圭
表面が滑らかに加工された純白の自然石で覆われ、丹念に手入れされた庭園や木立の間を

低く脈打つような稼働音
心臓が拍動する

お父様、お母様、ごめんなさい。私では〜家を護れない。
誰か助けて。お願いだから。

見捨てないぞ!

ゼラチン質
血を吸い込む

小躍りして喜ぶ
キンキジャクヤク

絶大な負荷が掛かっているはずの下半身部はビクともしない

終末龍ドラゴン
溶岩の鱗、7つの頭それぞれに王冠のように曲がりくねった10本の角

ファフニール
岩毒竜

ワイバーン

鎧われている

全身の関節から灼熱の炎が噴き出す。装甲が見る間に赤熱し、陽炎が浮き立った。

苦い思いを呑み込み、

意に介さない


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~ Comment ~

はじめまして 

はじめまして
僕は数年前ある作品からTSモノにはまり主さんの作品にたどりつきました。
主さんの作品はテーマ、ストーリー構成、登場人物の描写などが凄まじく上手く。
特に作品の要とも言えるTS娘が自分が女になってしまった事をどう感じているかやその周囲にいる人間がTS娘をどう思い、どう感じているかの心理描写がとても良く一次、二次作品問わずにストライクで他のTS作品を見ても面白いとは感じるものの主さんの作品のほうが面白いかなーとなんとなく思ってしまう程です。
今回の作品もロボットの設定が面白く。主さんらしい作品で楽しみです。
今後とも無理の無い範囲で小説を続けていただければと思います。

Re: はじめまして 

>REiさん
 はじめまして!あなたのコメントをずっと心の中で繰り返し再生しては反芻し、ありがたさを噛み締めています。涙がでるほどに嬉しいです。TS、いいですよね。僕の小説を気に入って頂けていること、本当に嬉しいです。TS娘の心理描写や周囲の反応にはいつも気を使っていますし、そこがTSの醍醐味だという自分の信条を表現しているつもりです。それを気に入って貰えたというのは、作者冥利につきます。自分のテーマが読んでくれた人に伝わったとわかるのは自信に繋がります。書いてよかったし、続きも頑張ってみようと思えます。実は、この小説には、後押しをしてくださったオファニムさん直々にかっこよくてかわいい挿絵を頂いています。許可をいただけたら、この記事にぜひ貼らせて頂こうと考えてます。
 これからもちょこちょこと更新していくつもりです。よかったら、また読みに来てくださいませませ。
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