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白銀の討ち手S(前編)

 ←【試作】輝けケアキュア☆紫陽花の季節 6話【12/9更新】 →【白銀の討ち手】私は他の誰も愛さない【とむらいの鐘編】

2020年。白銀の討ち手を再び始動させるにあたって、前編で止まっていたこのサイドストーリーにも光を当てるべく、僕は立ち上がった!





<現在>

「そんなことない!」


 触れれば折れてしまいそうに華奢な少女の両肩を掴み、吹き出す感情を叩きつけるかのように少年が吼えた。少年より一回りも矮躯の少女は驚いて逃げるように身を捩らせる。頭の芯まで熱を帯びた思考が自制を促す理性を振り払い、逃がすまいと掴む手の力をさらに強めて少女の体を力強く引き寄せる。
 これほど感情が昂ったのは何時ぶりだろうか。まだ幾分か冷静さが残る頭の片隅でぽつりとそんな感慨を浮かべながら、少年―――坂井悠二は目の前の少女の瞳を見つめた。驚愕し呆然とする少女は、彼がよく知る“普通ならざる少女”に似ていて、しかし中身はまったく違う。“彼”であり“彼女”でもある少女の名は、『サユ』。かつての坂井悠二であり、そして敗北と消滅を経て想い人の姿になってしまった未来の坂井悠二である。

「ゆう、じ…」

 唇を震わせながら、サユがかすれるような声でもはや他人となってしまったかつての自分自身の名を呼ぶ。その声は明らかに湿り気を含んでいた。新雪のように白い肌はほのかに朱色に染まり火照っている。掴む手から少女の震えが伝わる。期待と不安が織り交ざった、子犬のようなか弱い震え。

(構うもんか―─)

 腹の底から湧き上がる熱に突き動かされ、悠二はもう一度ぐいとサユを引き寄せる。視線が恥ずかしげなサユのそれと交差した。瞬間、自分が小柄なサユを抱き寄せる形になっていることに気づいて知らずに頬に朱色が灯ったが、そんなことはもう些細なことだった。「サユに自分の気持ちを伝えたい」。ただそれだけが悠二を平時とはまるで異なる行動に突き動かしていた。
熱に冒されているかのような火照りを全身に感じながらサユの双眸を見つめ、あらん限りの力と想いを乗せた言葉を紡ぐ。


「サユ、ボクは君のことを――― ……?」

 そこまで口に出した瞬間、背中に突き刺さる視線を感じて体の芯が凍りついた。否、この場合「突き刺さる」などという生易しい表現は適さない。恐るべき切れ味を有した真剣に体を余す所なく撫で斬りにされ、さらに剣山の拳によるデンプシーロールを全身に浴びているかのような、限りなく破滅的で殺人的で暴力的な眼力が確かな圧力を持って背中を貫いていた。さらにもっと悪いことに、悠二はこの視線の持ち主が誰であるかもわかっていた。

(――どうしてこうなった!)

 残虐非道の悪魔超人ですら失禁しながら泣いて逃げ出すような“二人分の視線”を背後に感じながら、坂井悠二は突然我が身を襲った危機的な現状を打開すべく思考を過去の記憶へと遊離させていった。


<昨日 昼休みの教室>

「シャナちゃんにメイド服を着る趣味があったなんて知らなかったわ」

 新学期早々、唐突に、緒方真竹の快活明朗な声音が教室内に響き渡った。昼休みの教室という騒々しい空間にあって、その衝撃的な内容はまるで新品のスポンジに浸透する水のように速やかに広がっていく。

「遠目で見かけただけなんだけど、あれは間違いなくシャナちゃんだったわ。凄く可愛かった!そんな趣味があるのなら言ってくれればいいのに!メイド服なんて私は似合わないから羨ましいのなんのって…!」

 『シャナ』『メイド服』『可愛い』
 それらの言葉が教室内を走り抜け、瞬く間に空気を震撼させる。ある男子は目眩く想像で思考を停止させ、ある女子は見るからに色めきだって真竹さんの後に続く。そうして、たった今話題に登った少女の反応を見ようとその場にいる全員が全神経を集中させて耳を傾ける。気づけば、つい今しがたまで室内に充満していた若々しい喧騒は忽然と姿を消していた。その原因となった真竹さん本人は周囲の変化に気づいているのかいないのか、さらに声音を大きくして興奮に鼻息を荒らげながら僕の右隣の机に詰め寄る。その席に肩肘をついて座っているのは、濡烏のように流麗な長髪を背中に侍らせて凛々しく佇む少女、クラスメートの平井ゆかり―――通称『シャナ』である。

「は?」

 いきなりのことに目を丸くして言葉にもならない息を漏らすシャナ。シャナが狼狽するのも当たり前だ。僕の知る限りシャナはメイド服など着たことはない。動きにくい服装は実用的でないと常日頃から一蹴しているシャナがメイド服を着ることなどこれまでもこれからもおそらくないであろうし、そもそもシャナがメイド服を着ても「可愛い」などという感想が出るはずない。どんな奇抜な服装をしようと内から滲み出る輝かしいオーラによってそれが正装であるかのように様にさせてしまうからだ。
そんなことなど寸毫足りとも意に介する様子を見せず、真竹さんがぽかんと口を開けるシャナに詰め寄る。

「またまたぁ、隠さなくても大丈夫よ!ちょっとは恥ずかしいかもしれないけど、でもシャナちゃんはすっごく可愛いんだもん。誰もバカにしたりしないって!」

 丸っ切り見当違いのフォローにシャナの頬がそれとわからない程度にピクリと痙攣するのを僕は見逃さなかった。かく言う僕も、静かに俯いて頭を抱える。ついにこの時が来た、という冷静な思考が半分。よりによってどうして“彼女”を目撃したのが真竹さんなのか、と悲観する思考が半分だった。そっと右隣の方を見やると、同時にこちらに目を向けたらしいシャナと目が合った。

(あいつね)
(間違いなく)
(面倒事はイヤ。何とかしなさいよ。|自分《・・》でしょ)
(それは間違ってないけど、だからって無茶言わないでくれよ)

 1秒に満たない視線の交差で会話を交わせる。実際は僕が一方的に無理難題を押し付けられているだけだが。周囲に察知される前に互いに視線を外し、この事態への対処のために素早く思考を巡らせる。こんな時に限って『空気の詠み手』と称されるトラブル解決のエキスパートである親友、池速人は生徒会の用事で留守だし、事情を知っているであろう佐藤と田中もどう言えばいいのかわからないと言った様子で遠巻きにこちらを眺めながら頬を掻いて申し訳なさそうな表情を作っている。吉田さんも状況が掴めないと言わんばかりに視線を右往左往させて戸惑っている。頼れそうな人間はここにはいない。対処方法を自分なりに少しは考えてはいたのだが、こんなに早く、しかもまさか真竹さんが発端となるとは思ってもいなかった。言い訳のしようのない誤算に、己の眼識の無さを恥じる他なかった。クラスのムードメーカーである彼女の言葉は相応の重みがあるし、その分真実味も増して周囲に認識される。こういった事態を未然に防ぐために“彼女”にはなるべく知り合いに見つからないよう行動して欲しいと頼んであったし“彼女”もそれを了承していたのだが、市内外を活発に動き回る真竹さんの目は避けられなかったらしい。一見僕の右隣の完璧主義者そっくりの姿をしていても中身(精神)が中身だからやはりどこか抜けているのかもしれない。
 と、親近感のようなものを感じている僕の横っ面を視線が横殴りした。その気配に顔を向ければ再びこちらをジロリと睨むシャナの目が。その逆らいがたい炎を湛えた双眸はまるで蛙を縛り付ける蛇の眼の如し。そんな恐ろしい眼に僕(カエル)が反抗出来るはずもなく。

(命令よ。早くして)
(…イエス、マム)
「あー、うー、そ、それはシャナじゃないと思うヨ?」

 脅迫そのままの視線に尻を蹴り出されるようにして立ち上がり、真竹さんに話しかける。並列して全力で嘘のストーリーを考えながらの芝居なので声が裏返るのくらいは勘弁して欲しい。だからそんなに睨まないでシャナ。僕が背中で汗を掻いているのも知らずに、訝しげに眉を寄せながら真竹さんが好奇の追求のターゲットをシャナからこちらへと変更する。他の生徒も磁石に吸い寄せられるかのように首をグルリと回転させてこちらに問の視線を投げかける。その光景はまるで数多の戦艦が目標に向かって一斉に砲塔を向けたかのようだった。

(ここで手際よく問題を解決することが出来れば、シャナからの評価は格段に上がるだろう。Z旗を掲げよ!皇国の興廃此一戦にあり。各員一層奮励努力せよ!)
(おおーッ!)

 脳細胞たちの逞しい声を聞きながら思考に集中する。屈強な脳細胞たちは一糸乱れぬ動きでこの場を濁す言い訳を構築し、主砲に装填。この間わずか0.1秒。この瞬間だけは自分で自分を褒めてやりたかった。

(主砲発射用意、てぇーっ!)

 ズドン、という威勢のいい轟音を胸の内に感じながら僕は真竹艦隊に向かって主砲を発射した。

「それはシャナの双子のお姉さんだったんだよ!」
「な、なんだってー!?シャナちゃん、姉妹がいたの!?」

 今度は真竹さんの目が丸く見開かれる番だった。初弾は見事に命中したようだ。直撃の爆風が吹き荒れるように生徒たちの間を驚愕と納得の風が吹き荒れていくのを確認して安堵の息を押し殺しながら胸をなで下ろす。このまま追撃してこの場をうやむやにしてしまおう。常日頃から只者ではないミステリアスな雰囲気を醸し出しているシャナだから、普通なら頓狂極まりない話も現実味がある。家庭の事情で離れて暮らしている双子の姉がいる、という感じの話がいいだろう。
次弾を装填した自慢の主砲が再び咆哮を放とうと輝き、

「ちょっと!なんであいつが私の姉になるのよ!?」

 それより先に、けたたましい音を立てて勢い良く立ち上がったシャナの砲門が火を吹いた。思わぬところからの攻撃に晒され、僕という艦体に巨大な風穴が開く。何となく“彼女”の方が落ち着いていて世話焼きなところがお姉さんタイプではないかと単純に考えたのだが、どうやらシャナにとっては不快だったらしい。よくよく考えれば当たり前の話かもしれないが。

「あれ?双子のお姉さんじゃないの?じゃああれはやっぱりシャナちゃん…?」
「違う。私じゃない。でも私の姉でもない。でしょう、悠二」

 シャナの言葉に如何にも活気と好奇心に満ち溢れた瞳を輝かせ、にんまりとほころんだ真竹さんがシャナと僕を交互に見る。その好奇と期待の視線をシャナの厚い装甲板が跳ね返し、跳弾が再度僕を激しく打ち据える。気がつけば、僕は真竹さん率いる艦隊とシャナという弩級戦艦にガッチリと挟まれる形となっていた。クラスメートたちも口々に「坂井くん、早く教えて!」「どうしてお前ばかり平井さんのことにそんなに詳しいんだ!?」「知っているのか雷電!」と質問の機銃掃射を浴びせかけてくる。

「いや、その、えーっと…。てか最後の男塾は誰だ!?」
(我々はここまでのようだ。各員、死に方用意)
(ああ、艦長。そんな諦めないで。まだ勝機はあるはずです!)

 必死に脳細胞を鼓舞しながら言い訳を考える。シャナ自身がメイド服を着ていたという事実はない。本人もそのような話を事実として広められるのを望んでいない。しかし名が示すように竹を割ったような快活な性格の真竹さんの言葉には真実味があり、見間違えやホラ話にすり替えることはできない。それに、実際に“シャナの姿をしたメイド服を着た少女”も実在する。次に見つかれば今度こそ誤魔化しようがなくなる。かと言ってその少女をシャナの双子の姉とするとシャナからのお許しが出ない。

(こうなれば…!)
「ごめん間違えた!あれはシャナの双子の妹だった!だよねシャナ!?」

 意を決し、喉元をついて出た言葉はあまりに稚拙なものだった。だが出てしまったものは仕方がない。覆水盆に返らず、だ。シャナに向かって一歩詰めより、強引に認めさせるように言葉を重ねて畳み掛ける。姉から妹に変えただけだが、これ以外には思いつかなかったのだ。勘弁して欲しい。
何時までも“彼女”のことを隠し通せる自信などないし、外に出る度にコソコソと人目を気にするような負担を“彼女”に強いるのはどうしても気が引ける。極力、紅世の者たちに見つからないようにするべくシャナも僕も目立たないように努めなければならないが、学校でのシャナの人気ぶりを見ればそんな努力義務がとっくに形骸化してしまっていることがよくわかる。全ての才に秀でているスーパー美少女に実は双子の妹がいた、という話題が広まったとしても今更現状が悪い方向に変わるとは思えなかった。
シャナはそんなこちらの考えを察したのかしていないのか、綺麗な線を描く眉を苦悩の形に歪めてしばし悩む。妥協するか否かを判断しているのだろう。そんなシャナを見守るように取り囲み、いつの間にか僕を含めたクラスメート全員、それどころか他クラスの生徒たちもが息を飲んでシャナが口を開くのを今か今かと待っていた。…仲いいよね君ら。

「……あの、シャナちゃん?結局あれはシャナちゃんなの?妹さんなの?」

 しんと静まり返った中、ついに我慢できなくなったらしい真竹さんが遠慮がちに手を上げて問いかける。その問に、「ん」と何事か納得したらしいシャナが小さく頷き、への字に曲げられていた唇を開く。そして、

「そうよ。それは私の双子の妹よ」
「「「「美少女双子姉妹キタ―――!!」」」」

 校舎を揺さぶる歓声がサイレンの如く辺りに響き渡り、否応なく巻き込まれるであろう不幸の始まりを僕に報せた。


<昨日 夜の佐藤家 縁側>

「……それで、どうしてボクが学校に行くことになるんでしょうか」
「僕にもわからないよ……」

 隣に座る“彼女”の苦笑と呆れが綯い交ぜになった問に、身体が萎むくらい深いため息を吐いて答える。彼女―――上質な絹糸のように細く美しい黒髪に純白のヘッドドレスをつけ、濃紺の丈長ワンピースとエプロンという簡素なメイド服を着た小柄の少女は、シャナと瓜二つの姿をしている。雪花石膏のように白く肌理細やかな肌は限りなく可憐でありながら、大きめの瞳、切れ長の眼に形の整った眉、高い鼻梁は総じて凛々しく、シャナと同様に内面の精悍さを主張している。しかし常に眉を釣り上げているシャナとは違い、この少女はよく言えば優しそうに、悪く言えば呑気そうに柔和な表情をしていた。身に纏う空気はまったく異なるのに、二人は余りに似通っていた。当然だ。なぜなら、彼女の身体は“シャナを模して創られた”のだから。
 この少女の名はサユ。元は自分と同じ、坂井悠二だった者だ。自分と同じように一度紅世の王『狩人』フリアグネの燐子に殺され、トーチ(抜け殻)を経て宝具『零時迷子』を宿すミステスとなった。シャナと共にフリアグネを討滅し、幾度の戦闘を繰り広げ、家族友人を守るためについに故郷を捨てる道を選んだ。御崎市を離れてからも『零時迷子』を巡って降りかかる苦難を乗り越え続けるが、ついに『千変』シュドナイの前に敗北。二度目の死を迎えた。しかし、そこで思いがけない奇跡が起こる。その身に宿した秘宝『零時迷子』が宿主が絶命した瞬間に突如起動したのだ。破壊の奔流に巻き込まれその内に秘めた力を暴走させた零時迷子によって、坂井悠二は魂が消滅する寸前に紅世の王『贋作師』テイレシアスと遭遇することになる。身体を失った坂井悠二を自らのフレイムヘイズに相応しいと見惚れたテイレシアスはその異能の力で器を創り、与えた。それは奇しくも坂井悠二が恋したシャナの肉体であった。これが『白銀の討ち手』サユ誕生の瞬間である。その後も零時迷子はフレイムヘイズとなったサユたちを翻弄し、時間軸の違う過去に放り出す。そこでサユは己の能力に目覚め、目的を見つけ、一度シャナと過去の坂井悠二―――つまり僕を襲撃。自分と同じ轍を踏ませないために命がけで弱点を克服させるという捨て身の襲撃を辛くも撃退した僕たちに正体を告げ、その後は迷惑をかけたマージョリーさんなどへの償いのためにここ御崎市に滞在している。 
 正直、あれから二週間が経過し、夏休みが終わって新学期が始まった今でもその話を完全に信じきれていない自分がいる。「故郷と家族と友人を置きざりにして各地を転々としながら身を隠すか、御崎市に身を置いて戦い続けるか」という選択はいつかはしなければならないと思っているが、まさか前者を選択した未来の自分自身がシャナの姿をしたフレイムヘイズとなって自分の前に現れるなど、まったくの想像外のものだ。ましてや―――

「ところで、その格好と口調はどうにかならないの?」

 メイド服を着て丁寧語で会話をされれば、本当に自分なのかと疑うのは致し方のないことだろう。対する未来の自分―――サユは、触れられたくないところを触れられたとばかりに苦悶の表情を顔に刻みつける。そして何者かの目を気にしてキョロキョロと小さな頭を動かして周囲を見回す。誰の目を気にしているのかは言うまでもない。

「弔詞の詠み手なら酔を覚ますために夜風に当たりに行ったばかりだろう」

 首元のペンダントからの声―――サユと契約する紅世の王『贋作師』テイレシアス―――にそう告げられ、サユは胸に手を当ててホッと小さく胸を撫で下ろす。

「ボクだって好きで女の子みたいな服と口調をしてるわけじゃないんで……だよ」

小さくかぶりを振って語尾を修正しながらサユは先ほどの自分そっくりの大きなため息をついた。

「でもマージョリーさんにはお世話になりまし…なったし、迷惑もかけちゃいま…かけちゃったからね。あの人の言うことには逆らえませ…ゴホン!逆らえないんだよ」

 最後に小さく咳払いをしてサユは口をきゅっと閉じ、淡い桜色に染まった頬を隠すように顔をふいと背けた。その仕草一つ一つは、シャナよりよほど年頃の少女らしかった。本人は自覚していないようだが、未来の坂井悠二がマージョリーさんの調教の前に陥落寸前であることは火を見るより明らかである。自業自得の感があるとはいえ周囲にされるがままに振り回されているその背中に悠二は同情で目頭が熱くなるのを禁じ得なかった。

「そ、それで?」

 気まずい空気を振り払うようにサユが急に話題を変える。有事には優秀だが平時は愚鈍な脳が、一拍遅れて投げかけられた質問への適切な回答を選び出す。

「あ、ああ。『サユはシャナの妹で、ドイツに留学中。今は久しぶりに姉に会うために一時的に帰国している』ってことになってる。明日は国際交流への興味を生徒たちに持たせる意味も含めてシャナと一緒に学校生活を共にできれば、ということに…」

 気恥ずかしそうだった顔が見る見る訝しげに歪んでいくのを見ながら丁寧に言葉を選んで説明する。
「シャナに双子の妹がいる」。そのでっちあげがシャナに正式採用された後のクラスメートたちの動きはまさに統制の取れた軍隊そのものであった。生徒会や教師たちといった関係各所への説明と根回し、「外国留学に興味があり、かつ留学に不安を持つ学生の良い見本になる」「平井ゆかりの妹ならば参考になることは間違いない」という、誰をも納得させることの出来るもっともらしい理由の構築などが、役割分担された生徒たちの間で瞬く間に遂行されていった。シャナの妹に会いたい、話したい、愛でたい。各個の強い欲望が一つに合わさった時、人はかくもこのように見事に均整のとれた行動が出来るのかとなぜか感動してしまったほどである。かくして、事態を穏便に有耶無耶にしてしまおうという悠二の思惑を宇宙の彼方に吹き飛ばして、当人の了解関係なしにサユを学校に招く算段が練られたのだ。そしてなぜかサユを招く大使役として矢面に立たされたのは僕なのであった。本来なら姉(という設定)のシャナがすべきことなのだが、シャナは放課後に寄るところがあるという理由で僕に押し付けられた。
ちなみに、サユがまだ坂井悠二だった頃―――現在僕が生きている時間軸とは違う世界における過去だが―――の話を彼女はあまりしないのだが、かつて御崎市を離れてからシャナと共にドイツで数カ月生活した経験があることは聞いていた。サユがドイツに留学しているという嘘の話はそれを使ったのだ。

「……メイド服のことはどう説明したの?」
「『仕様だ』って言っておいたよ」

 サユが天を仰ぐ。まさか本人の趣味だと言うわけにもいかなかったし、マージョリーさんに強制されていると言えばよからぬ誤解を生む可能性も否定できない(百合的な意味で)。他によい口実がなかったのだから我慢して欲しい。

「えーっと、その、せっかく誘ってくれたのに悪いんだけど、ボクはお断りさせて頂きま、頂くよ」

 引き攣った笑みを浮かべながらサユが席を立ち、そのまま足早に逃げようとする。やはり交渉決裂のようだ。後ろ手に隠した紙袋にそっと触れて、僕は一瞬逡巡する。

(僕はどうするべきなんだ?)

 正直、僕もサユを学校に連れていきたくはない。いらぬ騒ぎになるというのもあるが、それよりもサユの精神的なことの方が不安だった。

 サユ―――未来の坂井悠二は、故郷を捨てた人間だ。後ろ髪を引かれながら、血を吐くような思いで、育ててくれた家族、苦楽を共にした友人たち、生まれ育った御崎市との繋がりを断ち切ったのだ。そこまでの覚悟を持って旅だったサユに一度捨て去った故郷との繋がりを再び強く感じさせるのは耐え難い苦痛になるのではないか。事実……サユは、まだ母さん(坂井千草)に一度も会っていない。死に際した人間が脳裏に思い描くのは決まって母親の姿だという。それほどまでに母親の存在は大きい。きっと本心では会いたいはずなのに、顔を会わせるどころか坂井家に近づこうともしない。吉田さんに会うことも故意に避けているようだ。そして……おそらくは僕に会うことも避けている。こうやってサユと二人っきりで会話することも実は初めてのことだ。マージョリーさんの晩酌に付き合わされているところに押し掛けてようやく掴まえられたようなもので、こうして二人きりになれたのはマージョリーさんが気を利かせてくれた結果に違いない。「サユはこのままじゃ前に進めない。過去に向きあうために、アンタが助けてあげなさい」。夜風に当たりに行くとそっと出て行くマージョリーさんの後ろ姿は、確かにそう語っていたように見えた。

(これも君のためだ――許してくれ、未来の僕!)
「待って!」

 脳裏に浮かんだマージョリーさんの背中に突き動かされるように、反射的にサユの手を掴んで引き止める。小さな手がビクリと震えるのがわかった。夏だというのに指先が痛々しく冷え切っているのは、サユ自身も知らぬうちに拳をきつく握り締めていたからか。

(仕方がない。これも荒療治だと思って、諦めてくれ!)

 閉じた口腔内で決意をすると、僕は後ろ手に隠し持っていた紙袋を掴み上げた。見た目は小さく質素な紙袋だが、これに入っているものこそサユを学校に連れ出すために用意した秘密兵器なのだ。やおらサユの目の前に紙袋を掲げると、途端に甘く香ばしい香りが鼻腔を刺激した。その匂いはサユにも伝わったのか握られた手を振りほどくことも忘れてその場に硬直する。サユが逃げないことを確認してそっと手を離し、紙袋の封を丁寧に開ける。簡単なシールを剥がすと豊かな香りはさらに勢いを増して袋から飛び出し、鼻奥を心地よくくすぐった。もはや中身が何であるのか、サユは見なくてもわかるに違いない。

「ま、まさかそれは…!?」

 銃口を突きつけられたかのように呆然と呟くサユに不敵な笑みを返しながら、紙袋に手を突っ込んで中にあるものを潰してしまわないようにゆっくりと取り出す。サユの身体はシャナを模して創られた。坂井悠二が持っているシャナという可憐で猛々しいフレイムヘイズの情報を元に、テイレシアスの能力『贋作』を使って再現された。それ故、咄嗟の反射的な動きや体術の癖といった身体に染み付いた記憶をサユは受け継いでいる。それはサユとシャナの戦闘ですでに確認済みだ。だとすれば、“味覚の嗜好が受け継がれていてもおかしくはない”。袋から全容を現出させた“それ”を視認した瞬間、口の中に広がる小麦の芳醇な甘みとサクサクモフモフとした歯ごたえの気持ちよい食感を想像したサユの瞳孔が開ききった。今にも口端から涎を垂らしてしまいそうな口からはあうあうと言葉にならない言葉を漏らしている。やはり、僕の目論見は的中した。放課後にわざわざ隣町のパン屋まで自転車で疾駆した甲斐があったというものだ。

「さすがは坂井悠二だ。サユの扱いをよく心得ているな」

 地鳴りのような声で、テイレシアスさんが低く唸る。その感嘆の声に僕は「どうも」と苦笑を返す。己のフレイムヘイズが良いように弄ばれている様を見て感心する紅世の王というのはかなり違和感があったが、そういう紅世の王もいるんだろうと自分を納得させて今は素直に賞賛を受け取っておいた。紙袋から完全に脱して己を威容を誇示し始めた“それ”は、ふっくらとした半球形のパンに、表面に格子状の溝が刻まれたビスケット生地を備えている。これ即ち―――メロンパンである。明治時代から多くの人に広く深く愛され続けるこのパンは、同時にシャナの大好物でもある。そして、シャナと同じ身体のサユにとってもそれは同じなのだった。
 この世に二つとしてない宝物のように高々と掲げられたメロンパンから視線を外せないサユに、僕は止めの一撃を放つべく紙袋に描かれたパン屋のロゴを見せつける。これはただのメロンパンではない。これこそ、

「隣町の有名パン屋『窯蔵』の限定100個特性メロンパンが ぐ う ぜ ん 手に入ったんだけど」

 実際は偶然なんかではない。窯蔵に毎日のように通う常連のシャナのためにと店主が特別にとっておいてくれたものだ。今日の放課後、シャナが受け取りに行く前に、シャナのお使いだと嘘をついて貰ってきたのだ。

(この償いはいつか必ずするから)

 今頃毎日の楽しみを掠め取られて贄殿遮那を叩きおらんばかりに怒り狂っているであろうシャナの姿をサユの姿に幻視し、胸中で土下座する。どんなに謝って事情を説明したところでフルボッコにされた挙句に毎日の鍛錬の密度も跳ね上がることは目に見えている。ついでに毎晩のように夢枕に天目一個が恨めしげに立つこともわかっている。ここまでの犠牲を払ったのだ。失敗は許されない。左右に振れるメロンパンに合わせてサユの瞳が振り子のようにクリクリと揺れるのを確認する。メロンパンで誘えなければお手上げだと内心は少しヒヤヒヤしていたが、上手くいきそうだ。少なくとも成果は得られる。
メロンパンをサユの眼前にそっと差し出す。空腹時にお預けを食らってしまった子犬のように慌ただしくパンと僕の顔とを交互に見やるサユに、僕はニコリと顔面いっぱいの笑顔を投げかける。「偶然手に入った」が嘘だということはサユも承知のはずだ。窯蔵はこの辺りでは有名なパン屋であり、休日には眼を見張るような長蛇の列が出来ることもある人気店だ。この笑顔は、その店の人気メニューを手にいれるために支払った僕の努力、そして犠牲をも孕んでいるのだ。プルプルと震える細い指が覚束ない手付きでメロンパンを掴む。まるでこの手にあるのが信じられないとでも言うかのように目の前のメロンパンを見つめるサユに、僕はそっと囁やく。悪魔の囁き。

「明日の学校の件なんだけど」

 ビクリと両肩を跳ね上げるが、視線はメロンパンに釘付けのまま。この瞬間、もはや勝敗は決していた。ぽってりとした唇を悔しそうに尖らせ、黒真珠の瞳を潤ませてサユが恨めしそうに睨め上げてくる。その仕草にどこかゾクリとさせられるものを背筋に味わいながら、囁きを重ねる。勘違いしてはならない。これは僕の保身のためではなく、サユの前進を願っての行為なのだ。過去から目を背けていては未来には進めない。それに、今回のようなことに至ってしまった責任の一端はサユにある。少し荷を背負ってもらっても罰は当たらないだろう。

「来て、くれるよね?」

 安らかな眠りに誘うように、恋人の耳元で呟くように、唇の動きだけで小さく囁やいて畳み掛ける。それと同時にメロンパンをサユの口元に近づけてやる。我ながら反則とも言える攻撃。しかしてサユの返答は、


<今日、朝礼>

「Freut mich. Ich bin Sayu Hirai. Vielen Dank fuer Ihre Zusammenarbeit. 初めまして、私は平井サユといいます。今日はよろしくお願い致します」

 若干片言ながらもしっかりと基礎が出来ていることを感じさせるドイツ語で、教壇に立つメイド服の少女が丁寧にお辞儀をした。下腹部の前で手を重ねてゆったりと腰を折る姿は見事に様になっていて、中世の謹直な少女メイドを連想させた。これもマージョリーさんの仕込みに違いない。日ごろどんな調教をされているのやら。そんなことなど露とて知らず、僕とシャナを除くクラスメートたち全員がほうと吐息のようなため息を吐いた。見た目は年端も行かない少女に男女共々見惚れる様子は滑稽を通り越して危なささえ感じられたが、サユにはそうさせるだけの不思議な魅力があった。男でありながら女。そんなアンバランスさが返って奇妙な妖艶さを引き出し、周囲を心酔させるのかもしれない。
 そんなことを考えていると、ふと頭を上げたサユと目が合った。純真無垢の宝石のような瞳は到底同じ坂井悠二のものとは思えず、僕は恥ずかしさと後ろめたさで目を逸らす他なかった。昨日、サユは返答らしい返答はしなかった。ただパクリと小さな口でメロンパンに噛り付くだけだったが、それはもはや肯定と同義であった。あからさまに悔しそうに眼に涙を浮かべながらメロンパンをパクつくサユを見て良心がチクリと痛んだのを思い出す。襲撃してきた時は鬼気迫る迫力の戦士だったというのに平時は痛い気な少女そのものなのだから、調子が狂ってしまう。

(もしかしたら平時と有事で印象が変わるらしい僕も、周りから似たような感想を抱かれているのかもしれないな…)
「お前たち、サユ君をあまり質問攻めにして困らせるなよ?彼女も忙しい日程をやりくりしてこの学校に来てくれたんだからな。感謝の意を持って接しつつ、将来の留学や外国旅行のために参考になるような話を聞いてしっかり吸収するように。ああ、そうそう。サユ君の席はお姉さんの後ろだよ。一日という短い時間だけど、うちのクラスの生徒たちに色々なことを学ばせてやって欲しい。今日はわざわざ来てくれてありがとう。先生からは以上だ」
「起立。礼」

 物思いに耽る念を断ち切って、担任の先生が朝礼を締めくくる。先生の挨拶にサユが艶っぽい微笑をもって返事をしたのを見て委員長の藤谷晴美さんが号令をかけ、生徒全員が弾かれたように一斉に起立、礼。サユを前に目をギラつかせて一斉に立ち上がった生徒たちに気圧されて一瞬たじろいだ担任は首を傾げながら答礼すると、生徒たちのプレッシャーに弾き出されるように足早に教室を出ていった。それが始まりだった。

「サユちゃん可愛いぃいいいいい!!」
「頭ナデナデさせてぇえええええ!!」
「握手してください!」
「坂井に変なことされてないか!?されてたら正直に言うんだぞ!?」

 机と椅子と僕を蹴り飛ばして、生徒たちが獲物に殺到する肉食動物のようにサユにめがけて殺到した。一瞬、攻め寄る男女の波に怯えたサユの表情が垣間見えたが、小さなその姿は津波に飲み込まれた小舟のようにあっという間に見えなくなった。てか最後の台詞はなんだよ!

「私と扱いが違い過ぎない?」

 ぼそりとしたぼやき声が隣から投げかけられる。言うまでもなくシャナである。胸の前で組んだ腕の上でこれでもかというほどに憮然として不満げな表情を浮かべている。昨日、僕のせいで食べられるはずだったメロンパンを食べられなかったこともその表情を形作る要因の一つだろうが、主な原因はやはりサユにある。昨夜に殴られて痛む頬を摩りながら、無でられたり抱きしめられたりと揉みくちゃにされているサユを一瞥する。シャナは、その矮躯とは正反対に見るからに自信と確信に充ち溢れ、勇猛果敢な人格を体現するかの如く常にどっしりと構えている。だからまるでマスコットのようにチヤホヤされることはないし、むしろ頼られることの方が多い。

「シャナはあんな風に扱われたいの?」

 その言葉にシャナも教壇の上を占領する集団に目線を飛ばす。そこでは、なぜかワッショイワッショイと胴上げされているサユが必死に「お願いですから降ろして下さい」と涙声で訴えていた。

「……やっぱりこのままでいいわ」

ですよねー。


<今日、一時間目、体育>

 夏休みも終わり、もう8月も中盤に差し掛かっているというのに未だに空から降り注ぐ激しい陽光が弱まる気配はない。全身の毛穴から絶え間なく吹き出す汗も肌を炙る熱射によって瞬間的に蒸発させられる。足元のコンクリートも溶融させそうな気温は一向に下がる兆しがなく、むしろ日を追うごとに上がっているのではないかという錯覚まで起こさせる。これが世間を賑わせる地球温暖化の脅威の一端なのかと、僕は手で作った日差越しにギラつく太陽を仰ぎ見た。僕という小さな存在は地球レベルで言えば本当にちっぽけなものであり、大いなる地球のうねりの前にただただ汗を流して暑さに耐え忍ぶことしかできないのだ。そう考えると、何もかも全てが極めて些細で矮小な雑事に過ぎないのではないかと思えてきて―――

「坂井、現実逃避してないでサユさんを助けたらどうだ?」
「…もうしばらく放っておいて欲しかったよ、池」

 親友、池速人の冷静な声に足首を捕まれ現実に引きずり戻される。目の前では、現実―――女子更衣室に連行される寸前のサユが必死に頭を振って抵抗する光景が繰り広げられていた。

「わ、私はいいです!遠慮します!運動は苦手なんです!」
「シャナちゃんがあんなに運動神経いいのに、双子のサユちゃんが苦手なんてありえないでしょ!てか、メイド服着てて今さら水着を恥ずかしがらなくてもいいじゃない!」

 ばたばたと手足をバタつかせて逃げようとするが、終始笑顔の真竹さんたちに後ろから羽交い締めにされてずるずると更衣室に引きずり込まれて行く。今日は一時間目から体育―――水泳の授業だった。しかもこの市立御崎高校では水泳は二時間連続、二クラス合同である。いつもなら「朝っぱらから体育なんて」と面倒くさがる生徒たちも、ゲスト(おもちゃ)を迎えた今日ばかりは色めきだって上へ下へのお祭り騒ぎだ。校舎の裏手にある更衣室備え付けの屋外プールは、物珍しい一日転校生のおかげで朝からとても騒々しかった。ちなみにサユの分のスクール水着は緒方さんがどこからともなく仕入れてきた。サユの体系もシャナと同じく平均を遥かに下回るはずだが、いったいどこからそんな特殊なものを取り寄せてきたのだろうか。
 唐突に、更衣室のドアにしがみつきながら何とか内側に入るのを踏みとどまるサユと目が合った。その顔は真っ赤に紅潮し、眉は歪み、瞳はうるうると濡れている。自分が同じ立場だったら果たしてどんな心情になるのだろうか。女子更衣室に興味などない、と言えば完全に嘘になる。正真正銘の男子として、女子更衣室は禁断の楽園だ。理性と倫理さえ邪魔しなければ一度は踏み込んでみたいと思うのは当然のことだ。しかし、女の姿で入室するということになれば状況は一変する。無防備な異性たちの中で、そうすることが当然だというように自ら裸体を晒さねばならないのだ。これは死ぬほど恥ずかしいだろう。露出癖でもなければ顔からメラゾーマを吹き出しながら絶命する。

「ゆ、悠二さん助けてください!」

 助けを求めるその声はほとんど悲鳴に近かった。その場にいる者たちの視線が一斉に僕に集中する。先ほどまでサユを中心に繰り広げられていた歓声が嘘のように静まり返り、肌を刺す緊張感と殺気が僕の周囲を支配する。“警告”―――幾多の戦いをくぐり抜けてきた第六感がそう告げていた。「邪魔をするな」とギラつく眼光を全身に浴びて、僕は握った手の親指を天に向かって突き立てる。

「GoodLuck!」
「う、裏切り者ぉぉぉ!」

 僕だってクラスでリンチにされたくはないし、それなりに空気は読める。再び爆発した歓声の中、震える声をフェードアウトさせながらサユが地上の楽園の奥へと吸い込まれていく。その姿が完全に闇に溶けた直後、更衣室の扉がピシャリと閉められる。楽園が牢獄となった瞬間だった。女子たちの嬌声に混じって聴こえてくる悲鳴に合掌して、僕はその場を後にする。ごめん、サユ。これも全てを円満に解決させるためには仕方のないことなんだ。二週間前に突然襲撃されて死ぬほどボコボコにされたことへの意趣返しなんて少しも思っていません。少しも思っていません。大事なことなので二回言いました。

「いいのか?サユさん、かなり嫌がってたみたいだが」
「シャナも一緒だし、何とかなるよ。たぶん。きっと。おそらく。それより、早く僕たちも着替えを済ませよう。お前もメガネマン・アクアに換装しないといけないんだし」
おっと、そうだったな」


メガネマンアクアは否定しないんだな。

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メガネマンアクアは草

 

ここ数年ROMってましたが白銀の再動と聞いては書かざるをえない!

待ってました〜 期待して続き待機してます
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